「スタートアップの"オペレーター"に届けるCSノウハウBook」の7回目の記事です。そろそろ、成功したCSの事例が気にところではないでしょうか?スタートアップのCS請負人 ベラが"オペレーター"としてどうカスタマーサポートからユニコーンまで成長させたのか、成功事例を紹介します!
1回目:オペレーターの職種
2回目:会社で愛されるオペレーターの実務者としてのノウハウ
3回目:CEOが知るべきカスタマーサポート運営の基本原則
4回目:カスタマーサポートのマネージャーが知るべきTips4つ(KPIと心得)
5回目:カスタマーサポートをプロフィットセンターするマネージメント
6回目:スタートアップの成長を後押しするCSチームの目標の立て方
ユニコーンCSがKPI(解約率)を
14%から4%に改善した成功事例
カスタマーサポートのKPI vs
カスタマーサクセスの一環としてのカスタマーサポートのKPI
成長が安定した大企業では、コスト最適化が目標です。カスタマーサポートをコストセンターだと捉える大企業であれば、こんなKPIを掲げます。
もっとたくさん
- 通話時間の合計
- 応答率(受電数/荷電数)
- 処理率(処理数/荷電数)
もっと早く
- 初動時間
- 平均の処理時間
もっと安く
- 処理一件あたりのコスト
- 人件費
- マネージャーとオペレーター数
スタートアップで同じKPIを掲げるは大きな間違いです!
Jカーブを描いて成長しなくてはならないスタートアップでは、組織の成長に貢献するCSチームにならなくてはなりません。初期のスタートアップに三角し、CS畑からユニコーンへと2度も成長させたベラの事例を紹介します。
韓国の食品デリバリーユニコーン
「配達の民族」の成功事例
配達の民族は、2014年にカスタマーサポートを立ち上げました。そして立ち上げをしたのが、ベラです。どうやってCS畑から組織の成長を牽引するKPIを設定し、達成してきたのでしょうか?
韓国のユニコーン「配達の民族」の初期
1. 問題を発見し、KPIを見つけよう
2014年は、配達の民族にとって競合会社と広告で争っていた時代でした。そんな中、テレビCMが大成功。喜んだのもつかの間....
大ブレイクした「配達の民族」のテレビ広告
注文件数が喜ばしくも、成長するなか、カスタマーサポートチームもどんどん忙しくなっていきました。ただ、問題がありました。10件中1件が、キャンセルされるのです。取引規模は、成長していたものの最後の瞬間に離脱。2014年度のキャンセル率はなんと14%でしたが、取引額で言えば75億円の取引が消えていったのです。
2. 問題の原因を分析しよう
問題の手がかりを見つける場所はどこか、社内の会議でしょうか?そんなはずないですよね?
お問い合わせを見るまでは、キャンセルはどうしようもないことで耐えるしかないとすら思っていました。カスタマーサポートに聞けば答えはすぐに見つかりました。
問題は、店舗側にありました。店舗の休業日や売り切れ状況をアプリに反映せずに、キャンセル処理をしていたのです。
3. 全方位から問題を解決しよう
クーポンを発行などのその場しのぎの解決では変わらない プロダクトやシステム自体を改革しよう
多くのカスタマーサポートでは、顧客の不満が解消されない場合、クーポンを提供して解決します。このようなその場しのぎの解決では、問題は繰り返されるしかありません。
究極的なカスタマーサクセス、エフォートレスを実現しよう
ベラは、問題解決のために関連部署に働きかけはじめました。それは、一見お節介に近いものだったかもしれません。しかし、ベラは開発チームやマーケティングチーム、セールスチーム、デザイナーなど様々な部署のニーズや目標を理解し、問題解決に向けて協力してもらえるように働きかけました。
結果、離脱率が14%から4%に下がったのです。それだけではなく、配達の民族のCSチームは社内への影響力を持つようになり、顧客の声がより社内に共有される理想形になりました。
具体的に、どんなことを働きかけたのでしょうか?
①オペレーターに受話器をもっと握るように促しました。キャンセルが2件以上発生したら、すぐに店舗に連絡をして営業状況を確認、広告を止めました。プロダクトの不足点をオペレーターが補って時間を稼ぎました。
②開発者を説得して、オペレーターが手動で補っている業務を自動化するようにお願いしました。2回以上注文のキャンセルが発生した場合には、自動で該当店舗の広告掲載を止めました。もちろん忙しい開発者がいきなり応じてくれるはずありません。そこでベラが直接バックエンドシステムのプロジェクトマネージメントを行い開発を完了させました。
③問題の原因となった店舗に出向き、キャンセル率0%にするポリシーを説明しにいきました。当時、月200名も訪問しないサイトにどうやって店長に訪問してもらえるか、悩みました。店舗運営のTipsを提供するコンテンツを提供し始めました。オフラインのユーザーコミュニティを開き、表彰をしたりと定期的に運営し始めたところ、ユーザーの熱量がとても上がっていたのです。
組織の成長のためのCSのKPIを見つけ出し、組織に働きかけて、見事達成したベラ
結果、今の熱狂的ファンのいるユニコーン、
配達の民族が出来上がったのです。
CS畑出身のベラは、組織をユニコーンに成長に成功しました🎉