BtoB SaaSのファンベースマーケティングの事例
今回は、最近注目を集める"ファンベース"の事例をご紹介します!
そもそも"ファンベースとは?"
と疑問の方は、朝渋さんや電通報さんの記事が非常にわかりやすかったので参考にされると良いかと思います😊
さて、弊社は”答えは顧客にある"という考えのもと、スタートアップやSMBをメインターゲットにしたカスタマーサクセスチャットツールのチャネルトークを展開しています。チャネルトークは"スタートアップ"で、グローバルチームは50名弱、今日本では4人のメンバー全員でカスタマーサクセスを兼任しています!それぞれサポートCS、セールスCS、エンゲージメントCS、プロダクトCSです。私たちが考える理想的な企業文化"顧客中心文化"を広めるため、日々奮闘しています。
28,000サイトに導入された"熱狂的ファンを作るCSチャット チャネルトーク"
BtoB SaaSのファンベースは
"マーケティング"が答えではなかった
チャネルトークというプロダクトは元々、スタートアップやSMBといった小規模の企業でも気軽にウェブやモバイルアプリに顧客対応のチャットを導入でき、顧客を理解するためのBtoB SaaSツールとして提供しており、3年間で28,000サイトを超えるまで成長しています。しかし、日本ではまだ2,500サイト程度と、広く普及しているとまでは言い難い状況です。
ファンを作るために様々なアクションはしてきた"つもり"でした。 例えば、
ブランディング・マーケティング
まずは、"答えは顧客にある"というモットーを広めるブランディングに力を入れました。
・チーム紹介
チーム紹介してブランディング
・同じビジョンを持つAmazonのジェフベゾスの動画作成
Amazonジェフベゾスが掲げる"Customer Obsession"に関する動画を作成
・面白いマーケティング広告
チャネルトークのモットー"答えは顧客にある"で面白い広告を打ちました
これらのマーケティング、反応は悪くはなかったものの、これでファンがついたという手応えはなかった。やはり、マーケティングは万能ではないという当たり前の結論に至り、地味に自分たちがチャネルトークの提供価値について伝える必要があると考えました。
営業にシフトしても模索の日々
そのため現在、初期の顧客、特にファンになってくれるような顧客を増やすためにも日々、たくさんの企業に会いに営業ミーティングを組んでは会いに行っています。
しかし、日本のメンバーは営業経験がある人もおらず、「そもそも営業ってどうやるんだっけ」というところで資料作りやセールススクリプトを作っては突撃し、撃沈するような日々でした。
というのも、私たちチャットツールという部分や機能が表面的に伝わってしまっていて、結局One of Themとして捉えられてしまっていたのです。
チャットツールという側面だけをみるとチャネルトークには国内外に競合も多く、例えば私たちもベンチマークしているIntercomや、最近チャット機能も打ち出し始めたHubspotなどのシリコンバレーオリジンなサービスから、国内のChamoやChat Plusのような(老舗系?)サービスもあり、レッドオーシャンな領域で戦ってしまっているという状況に陥っていました。
何よりも私たちの「顧客の声を聞くことに事業成長の鍵がある」というメッセージが伝わっていなかったことにフラストレーションを感じました。
そんな状況をCEOのRedと相談したところ、「私たちが売っているのはチャットではなく、文化のはず。それが伝われば、いまのプロダクトではなく、私たちの世界観を買ってくれる」と営業プロセスの改善プロジェクトが立ち上がりました。
立ち上がれチャネルトーク!ファンを作ろう!
ファンベースのために営業プロセスをどう改善したか
大事にしたコンセプトは、”かっこよさ”でした。
チャネルトーク自慢のイケてて使いやすいUI、そうだチャネルトークはかっこいいんだ!
私たちが考える世界観や大切にしているカルチャーしっかり伝えるには、私たちがやっていることがいかに”本気”であり、心から共感できるものである必要があります。そのため、ブランドを大切にすることを起点に様々な営業プロセスを見直しました。
①ファンにしたいターゲットをどうするか
まずは、どんな顧客に絞るかというところで、よりいっそう、シリーズA、B前後のスタートアップに絞ることにしました。
シリーズB、Cと企業が成長するごとに、その企業の文化は形作られてきます。
そして一度固まった文化を途中から変えていくのは至難の技であるため、まずは私たちの考え方に共感し、一緒に文化を育てて行ってくださる企業をみつけることにしました。
②コンテンツの改善
自分たちが伝えたい文化を体現するには何がいいかについて、グリーティング・パッケージを作りました。
ファンにプレゼントでご挨拶しよう! "ウェルカムパッケージ"
ファンがSNSに上げてくださったウェルカムパッケージの写真
構成としては、Tシャツ、ステッカーといったグッズと、
潜在的ファンに感動を届けたキラーアイテム"耳かき"
これです。おわかりいただけますでしょうか…耳かきです。
”答えは顧客にある!”というコンセプトのプロダクトであるため、より顧客の声が聞こえるよう、耳かきをプレゼントしよう、ということで追加されたアイテムです(笑)
③営業資料の改善
元々は「どんな機能があるか」という機能訴求の資料から、「どんな文化を作りたいか」そして自分たちのサービスがなぜそれを実現できるかというところにフォーカスした形の資料に練り直しました。
正直私も当初はこの営業手法に対して不安がありました。耳かき…?って感じですよね。
しかし、蓋を空けてみると、たくさんの方に好評いただき、
ファンになってくださったカクテルメイクのみなさん
ブランド価値に共感してファンになってくださったRandebooのSEIKAさん、阿部さん
このように喜んで着ていただいています。また、耳かきについても、
”こういうメッセージ性のあるやつ好き!”という反応をいただくことが多かったです。
あと、蛇足ですがTシャツのクオリティー高いよね、というフィードバックもよく頂いてますw
ほしいしうちもつくりたいです!これ国内の業者ですか??御社のTシャツ、品質良くてヘビロテしてますwww
— 業天 (@gyoten) October 3, 2019
(この後リンクはお送りしました)
また、正直いろいろ不安なことも多いので、日本でSaaSに詳しいVCの方々にメンタリングを受けたりしていますが、
”シリコンバレーでは割とある手法だけど、日本でここまでアグレッシブな営業をしているスタートアップはみたことがない”(副代表が英語で話していたので、Advanced Sales Methodというコメントだったそう)
と良い評価を頂いています。
そして当たり前ですが、営業は最終的に導入していただけなければならないので、成約率がどうなったかが大事です。結果としては成約率は10%程度から50%程度まで改善し、特にスタートアップでの導入はだいぶ進んできたという実感を持てるようになりました。
また、ありがたいことに、ユーザーの皆さんが周りに紹介していただくことで新たな顧客を獲得するケースも増えてきました。NPSで言ったら10を超えてきている感じです(笑)
チャネルトークというプロダクトはMRRでいうと1アカウントあたり平均で1-2万円程度のSaaSです。なので、対面営業ばかりしていたら実はROIはとても低く、中にはそんなやり方ではグロース出来ないとアドバイスをいただくこともありました。
しかし、あえていま私たちが対面営業にこだわっているのは”ファン”を作ることの大切さを痛感しているからです。
"馬田先生のSlide Shareより抜粋"
私たちは韓国ではPre-Cラウンドで累計10億円を調達できていても、日本ではほぼ無名。初期のスタートアップだと思うことにしました。
これから日本でもしばらくはあえてスケールしないような営業を続けて行こうと思っています。
最後に
チャネルトークの"ファンを大切にするビジネススタイル"や"答えは顧客にある"というモットーに共感いただけた方は、ぜひ右下のチャットボタンから気軽におしゃべりしましょう!私たちは、ファンベースや顧客中心文化に共感するスタートアップやSaaSが増えることを心から願っており、そんな方とぜひ仲良くしたい!!!と思っています😊
チャネルトークのファンづくりは始まったばかりです。小さな成功事例でしたが少しでも参考になればと思い共有させていただきました☺️今後、さらにファンの方々に価値を届けられるよう頑張っていきます💪
読者のあなたにもいつも門戸は開いています。気軽に話しかけてください!🙌