"もっと寄り添えるALF"を目指して SNKRDUNK CSチームがタスク機能で挑戦したこと

ゲストライター企画:チャネルトーク導入企業である株式会社SODAのCSチームより、菅原惟鈴様に執筆いただいた記事です。

Channel Talk

  • AIの活用事例

スニーカー/アパレル/トレーディングカードを中心に扱う鑑定付きマーケットプレイス 「SNKRDUNK(スニダン)」。2018年のスタートから急成長を遂げ、現在は月間アクティブユーザー数が600万人を超え、年間流通総額は数百億円規模に達しています。

今回の記事では、「SNKRDUNK」を運営する株式会社SODAのCSチームより菅原惟鈴様をゲストライターとしてお招きし、チャネルトークの活用事例記事をご執筆いただきました。

今回の活用事例では、ALFが単純な質疑応答を超えて、ユーザーより頻繁に要請のある実際の業務まで処理できる「タスク」機能の活用事例をご紹介いただいています。

はじめに:前回のインタビューからの「有言実行」ストーリー

みなさん、こんにちは。株式会社SODAのCSチームでチャネルトークのALFの育成や、運用の改善を担当している菅原惟鈴です。

弊社が運営するスニーカー・アパレル・トレーディングカードの鑑定付きマーケットプレイス「SNKRDUNK(スニダン)」では、日々多くのお客さまからお問い合わせをいただいており、そのお問い合わせ対応にチャネルトークを活用しています。

実は2025年に、弊社の取り組みをインタビュー記事としてご紹介いただきました。

その記事の中では、今後の展望として、こんな内容にも触れられています。

「今後は、チャネルトークとSODAの基幹システムを連携して、よりパーソナライズされた対応がALFでできるようになることを期待しています。たとえば、お客さまの取引状況に応じた案内などがAIで可能になれば、ALFの価値はさらに高まるでしょう。」

あれから約1年半。

当時は「これから実現していきたいこと」として話していた内容も、少しずつ形になってきました。

もちろん、最初から思い描いたとおりに進んだわけではありません。現場で運用しながら改善を重ね、「こうした方がお客さまにとって分かりやすい」「このケースは人が対応した方がいい」といった調整を繰り返してきました。

今回は、そんな実務担当者の立場から、ALFをよりお客さま一人ひとりに寄り添える存在へ進化させるために、チャネルトークの「タスク機能」をどのように活用してきたのかをご紹介します。

チャネルトークを活用されているみなさまにとって、少しでも運用のヒントになれば嬉しいです。

【Before】私たちが直面していた「汎用的な回答」の限界と課題

私たちは以前から、チャネルトークのAIエージェント「ALF」を活用していました。

ナレッジベースをもとにお問い合わせへ回答できるため、お客さまをお待たせすることなくご案内できるケースも多く、日々のCS運用を支える大切な存在になっていました。

一方で、サービスの拡大とともに、ALFだけでは解決しきれないお問い合わせも少しずつ増えてきました。

その理由は、ALFが参照できる情報がナレッジベースに限られていたためです。

例えば、お客さまから取引状況についてお問い合わせをいただいた場合でも、一般的なご案内はできるものの、「いま、そのお客さまのお取引がどのような状況なのか」までは把握できません。

そのため、より詳しいご案内が必要なケースではオペレーターへ引き継ぎ、基幹システムで取引状況を確認したうえで回答していました。

もちろん、この運用自体に大きな問題があったわけではありません。

ただ、お客さま一人ひとりの状況に合わせたご案内を目指すのであれば、ALFがもう一歩踏み込んだ対応をできるようにしたい。そんな思いが、現場の中で少しずつ大きくなっていきました。

「ALFによるスピーディーな回答」と「お客さま一人ひとりに合わせたご案内」。

その両方を実現するには、ALFがナレッジだけではなく、お客さまごとの状況も踏まえて回答できる仕組みが必要でした。

【実践】「タスク機能」で実現した、ALFによる「個別回答」の仕組み

そこで私たちが活用したのが、チャネルトークの「タスク機能」です。

タスク機能を活用することで、ALFが必要に応じて基幹システムの情報を参照し、お客さま一人ひとりの状況に応じた対応ができる仕組みを構築しました。

例えば、取引の進捗に関するお問い合わせでは、基幹システムから現在の取引状況を取得し、その内容に応じたご案内をALFが返答できるようになっています。また、一定の条件に当てはまる場合にはオペレーターへ引き継ぐなど、取引の状況に応じて適切な対応へつなげられるよう設計しています。

もちろん、最初から完成形を作れたわけではありません。

実際に運用しながら、お客さまの利用状況やお問い合わせ内容を確認し、「どこまでALFが対応するか」「どのケースをオペレーターへつなぐか」といった設計を何度も見直してきました。

その結果、大きく3つのことが実現できました。

実現できたこと①:基幹システムと連携した「個別回答」

これまではナレッジベースをもとにした一般的な回答が中心でしたが、基幹システムと連携することで、お客さまの取引状況も踏まえたご案内ができるようになりました。

これにより、これまで有人対応が必要だった一部のお問い合わせについても、ALFがお客さま一人ひとりに合わせてご案内できるようになっています。

実現できたこと②:基幹システム側の処理まで含めた対応

お問い合わせの中には、ご案内だけでなく、基幹システム側での処理を伴うものもあります。

タスク機能を活用したことで、ALFが必要な情報を確認し、条件に応じて基幹システムと連携した処理まで完結できる仕組みを構築しました。

これにより、これまでオペレーターが対応していた一部の定型的な業務処理についてもALFだけで完結できるようになり、これまでよりスムーズに処理できるケースも増えています。

実現できたこと③:お問い合わせ内容に応じた案内の最適化

お客さまのお問い合わせは、必ずしも「何に困っているか」が明確に書かれているとは限りません。

そこで、お問い合わせ内容だけでなく、お客さまのご利用状況なども踏まえながら、その時点で必要と思われるご案内ができるよう設計しました。

その結果、お客さまが知りたい情報へより近い回答をお届けできる場面が増え、ALFだけで解決できるお問い合わせの幅も少しずつ広がっています。

【After】タスク機能がもたらした変化

オペレーターが「人ならではの対話」に集中できる環境へ

タスク機能を活用したことで、ALFが対応できる範囲は少しずつ広がりました。

実際に、タスク機能を活用したお問い合わせでは約90%がALF内で解決しており、お客さまに寄り添ったご案内をお届けできる場面が着実に増えています。

一方で、私たちは「すべてをAIで完結させる」ことを目指しているわけではありません。

例えば、取引状況によって追加の確認や調査が必要な場合には、ALFだけで回答を完結させず、オペレーターへ引き継ぐよう設計しています。

こうした役割分担によって、オペレーターは基幹システムの確認作業に追われる時間が減り、その分、お客さまへの伝え方や、より丁寧なコミュニケーションに意識を向けやすくなりました。

私たちが目指していた「AIと人、それぞれの得意なことを活かす運用」に、一歩近づけたと感じています。

学びとコツ:実務担当者が語る、やって良かったこと

今回の取り組みを通して感じたことを振り返ると、「タスク機能をどう設定するか」以上に、「どう活用するか」を考えることが大切だったように思います。

私自身、試行錯誤しながら進める中で、特に印象に残っていることが3つあります。

AIが活躍できる領域から始める

最初から複雑なお問い合わせをALFで対応しようとしたわけではありません。

まず着目したのは、お客さまも「オペレーターに相談したい」というより、必要な手続きをスムーズに完了できれば良いというお問い合わせでした。

必要な情報をご入力いただければ、そのまま処理まで完結できるようなケースは、お客さまにとって待ち時間の短縮につながり、オペレーターにとっても対応工数を減らすことができます。

そうした「ALFとの相性が良い領域」から取り組みを始めたことで、お客さまにも現場にもメリットのある運用を少しずつ広げていくことができました。

運用しながら少しずつ改善する

実際に運用を始めてからは、ALFの対応内容を確認しながら、細かなチューニングを繰り返しました。

「この分岐の方がお客さまにとって分かりやすいかもしれない。」 「このケースはALFで完結するより、人につないだ方が安心していただけそう。」

実際のお問い合わせを見ながら、設定を見直しては試し、また確認する。その繰り返しでした。

一度設定したら終わりではなく、運用しながら少しずつ改善を重ねていくことが、結果的により良い仕組みにつながったと感じています。

AIは「育てていくもの」

今回の取り組みを通して、AIは「導入して終わり」ではなく、「育てていくもの」なんだと改めて感じています。

新しい機能が追加されたら、「この機能を使って何かできないかな」と考えてみる。

実際に試してみて、改善する。

また新しいアイデアを試してみる。

その繰り返しで、少しずつ自分たちのサービスに合った運用になっていくのだと思います。

私自身、こうした試行錯誤を重ねながら運用を改善していくことにやりがいを感じています。今回の取り組みも、その面白さを改めて実感する機会になりました。

これからも新しい機能がリリースされたら、「どうすればもっとお客さまにとって良い体験につながるだろう」と考えながら、チャレンジを続けていきたいと思っています。

おわりに:これからの展望

前回のインタビューで「これから実現したいこと」としてお話ししていたパーソナライズ対応。

ALFにタスク機能が追加されたことをきっかけに、現場で試行錯誤を重ねながら、その第一歩を形にすることができました。

今回の取り組みは、私たちだけで実現できたものではありません。

「こんなことができたら、お客さまにとってもっと便利になるのではないか」というアイデアをもとに、チャネルトークのご担当者さまにも相談しながら、一緒に形にしていきました。

私たちの業務やサービスを理解したうえで伴走していただけたことは、とても心強かったです。

これからもチャネルトークを活用しながら、AIに任せられることはAIへ、人だからこそできることは人へ。

新しい機能が追加されたら、「これを使えばもっと良い体験を届けられないかな」と考え、試して、改善する。その積み重ねを大切にしながら、お客さまにとってより良いサービスを目指していきたいと思います。

この記事が、同じようにチャネルトークを活用されているみなさまの参考になれば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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