カスタマーサクセスツール比較8選|4タイプの違いと失敗しない選定基準【2026年版】
カスタマーサクセスツール8選を、ヘルススコア型・オンボーディング型・コミュニティ型・問い合わせ型の4タイプで比較。各ツールの特徴と料金、導入前に決める5つの選定基準、導入後に使われなくなる3つのパターンまで解説します。
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カスタマーサクセスツールの導入を検討する際、「種類が多すぎて、自社に何が合うのか分からない」と感じていませんか。
ヘルススコア管理、オンボーディング支援、コミュニティ運営、問い合わせ対応など、ツールによって得意領域はまったく異なります。
名前や知名度だけで選ぶと、導入後に「現場で使われない」という失敗につながりかねません。
本記事では、カスタマーサクセスツールの4つのタイプの違いを整理します。
そのうえで、導入前に決めておくべき5つの選定基準、主要ツールの比較とタイプ別の選び方、導入後に使われなくなる典型パターンを解説します。
ツールの選定と社内への浸透を両立させたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
カスタマーサクセスツールとは
カスタマーサクセスツールとは、契約後の既存顧客が自社サービスを活用して成功できるよう能動的に支援し、解約率(チャーンレート)の低下やLTV(顧客生涯価値)の最大化を効率化するためのシステムです。
問い合わせへの対応を起点とする受動的な支援を担うのが、カスタマーサポートツールです。一方でカスタマーサクセスツールは、問題が起きる前に顧客の利用状況を把握し、先回りして働きかける点が異なります。
汎用CRM(顧客関係管理)との違いは、商談管理ではなく契約後の利用データや成功指標の管理に特化している点です。
カスタマーサクセスツールと一口に言っても、機能も得意領域も異なる複数のタイプが存在します。そのため、自社の課題に合ったタイプを見極めることが、選定の第一歩になります。
カスタマーサクセスツールの4タイプ
カスタマーサクセスツールは、支援の切り口によって大きく4つのタイプに分かれます。
この章では、それぞれの特徴と代表的なツールを解説します。
タイプ | 特徴 | 代表ツール |
|---|---|---|
ヘルススコア・顧客管理型 | 利用データを点数化し解約リスクを可視化 | Gainsight、Growwwing |
オンボーディング・操作ガイド型 | 操作ガイドで顧客の定着を支援 | Fullstar、テックタッチ |
コミュニティ型 | 顧客同士の交流を促進し自己解決を後押し | Commune、coorum |
問い合わせ・顧客接点型 | 日常の接点から能動的な支援へつなげる | チャネルトーク、Zendesk |
ヘルススコア・顧客管理型とは?
ヘルススコア・顧客管理型とは、顧客の利用データを点数化し、解約リスクを早期に可視化するタイプです。
契約状況や利用履歴を一元管理し、リスクの高い顧客に優先的にアクションできます。代表例はGainsight、Growwwingです。
導入時は、ログイン頻度や機能の利用状況、問い合わせ履歴のうち、どのデータをスコアに取り込むかを決めておく必要があります。あわせて、スコアが下がった顧客に誰が動くかまで決めておくことが、使いこなす前提になります。
オンボーディング・操作ガイド型とは?
オンボーディング・操作ガイド型とは、契約直後の顧客がプロダクトを使いこなせるよう、操作ガイドで定着を支援するタイプです。代表例はFullstar、テックタッチです。
画面上に操作ガイドやツールチップを表示し、マニュアルを読まなくても使い始められる状態をつくります。初期設定の完了率を上げ、導入直後の問い合わせを減らす目的で使われるタイプです。
コミュニティ型とは?
コミュニティ型とは、顧客同士が情報交換や質問をし合える場を提供し、自己解決とロイヤルティ向上を支援するタイプです。代表例はCommune、coorumです。
問い合わせ対応の負荷を抑えつつ、顧客同士のやり取りから新たな活用方法が生まれやすい点が特徴です。
問い合わせ・顧客接点型とは?
問い合わせ・顧客接点型とは、日常的な顧客接点を起点に、問い合わせ対応から能動的な提案へつなげるタイプです。代表例はチャネルトーク、Zendeskです。
問い合わせ対応で蓄積した会話や顧客情報をもとに、セグメント別の案内や自動対応につなげられる点が特徴です。
ヘルススコア・顧客管理型と置き換えるというより、顧客との接点とデータをためる土台として組み合わせて使われます。
導入前に決めたい5つの基準
カスタマーサクセスツールの選定は、機能の多さではなく、自社の運用に合うかどうかで判断すべきです。
この章では、導入前に決めておきたい5つの基準を解説します。
何の意思決定に使うか?
カスタマーサクセスツールを選ぶ前に、まず「解約防止」「アップセル」「オンボーディング効率化」のどれを主目的にするかを決める必要があります。
目的が曖昧なまま選定すると、機能の豊富さだけで比較してしまい、自社に合わないツールを選びがちです。
目的を1つに絞り込めない場合は、最も解約インパクトが大きい顧客層の課題から逆算すると判断しやすくなります。
どのデータを取り込み、実装に何時間かけるか?
ツールの価値は、取り込むデータの質と量に左右されます。
契約情報、利用ログ、問い合わせ履歴のうち、どれを連携するかによって、実装にかかる工数は大きく変わります。
データ連携を自社のエンジニアが行うのか、ベンダー側の支援を使うのかも、事前に確認しておく項目です。
運用体制はハイタッチ・ロータッチ・テックタッチのどれか?
自社の顧客層を、個別支援が必要な層と、仕組みで支援できる層に分けることが、ツール選定の前提になります。
担当者が個別に伴走する顧客への対応を重視するのか、多数の顧客へ仕組みで対応するのかで、必要な機能は変わります。
なお、ここでの「テックタッチ」は前章の製品名ではなく、仕組みで支援する運用モデルの呼び方です。
運用体制を先に決めずにツールを導入すると、せっかくの機能を使いこなせない原因になります。
ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチとは
ハイタッチ:専任の担当者が個別に伴走する支援。導入が複雑で、個別の伴走が成果に直結する顧客向け
ロータッチ:セミナーやグループ研修など1対多の支援を基本に、個別対応は時間や形式を標準化して提供する支援
テックタッチ:メール、チュートリアル、FAQ、AIエージェントなどで対応を自動化・仕組み化する支援。自分のペースで進めたい顧客向け
顧客数や利用者数が増えたときの費用はどうなるか?
多くのツールは、顧客数や利用者数に応じて費用が変動する料金体系を採用しています。
契約時点の規模だけでなく、半年後・1年後に顧客数が増えた場合の費用感も確認しておく必要があります。
契約前に、将来の顧客数を仮定した見積もりを依頼しておくと、後から想定外の費用が発生するリスクを避けられます。
あわせて、最低契約期間や途中解約の条件も確認しておきましょう。年間契約が前提のツールもあります。
既存ツールとの連携・操作性・日本語対応は十分か?
既に使っているCRMやチャット対応ツールとスムーズに連携できるかは、日々の運用負荷に直結します。
あわせて、管理画面の操作のしやすさや、サポート窓口の日本語対応の有無も確認すべき項目です。
これらの条件を導入前に洗い出しておくことで、導入後に「結局、別の作業が増えた」という状態を避けられます。
【タイプ別】カスタマーサクセスツール比較8選
ここからは、4つのタイプから2つずつ選んだ8ツールを比較します。
同じタイプのツールでも、向いている企業の規模や強み、料金の考え方はそれぞれ違うものです。まず比較表で「向いている企業・組織」と「他との違い」を一覧にし、続いて各ツールの概要、特徴、主な機能と月額費用、無料プランの有無を同じ形式で紹介します。
自社の課題に近いタイプの2社から読み進めると、違いをつかみやすくなります。
ツール名 | 向いている企業・組織 | 他との違い |
|---|---|---|
既存顧客の管理に専任チームを置く中堅〜大企業 | 海外の大手SaaS企業でも採用例が多く、機能範囲が広い | |
Salesforceを使っている企業、またはSalesforce基盤で顧客データを扱いたい企業 | Salesforceのアプリとして動き、Salesforce未契約でも導入できる | |
無料プランから始めて、まず小さく試したい企業 | ノーコードで導入でき、費用負担を抑えやすい | |
大手企業や自治体・官公庁など大規模組織 | 導入実績が幅広く、大規模システムへの組み込みに強い | |
戦略設計から運営代行まで伴走支援を求める企業 | 戦略設計から運営代行まで、ワンストップの伴走支援を受けられる | |
コミュニティと顧客の声の収集・分析を一体で活用したい企業 | コミュニティ運営に加え、顧客の声の収集・分析を一体で扱える | |
チャットを主体にしたい企業、AIの活用・チューニング・分析を進めたい企業 | CRM・ナレッジ運用・分析までを1つの画面で完結できる | |
問い合わせをチケットとして一元管理したい企業 | チャネル横断の問い合わせを一元管理し、サポート業務の標準化に強い |
Gainsight
(出典:Gainsight)
Gainsightは、Gainsight株式会社(日本法人)が提供するカスタマーサクセスプラットフォームです。顧客情報を一元化し、解約リスクと拡張チャンスの可視化、エンゲージメントの自動化などを支援します。
Gainsightの特徴
主な特徴:海外の大手SaaS企業でも採用例が多く、機能範囲が広い
向いている企業:既存顧客の管理に専任チームを置く中堅〜大企業、海外の導入事例や知見を重視する企業
Gainsightの基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
主な機能 | 顧客情報の可視化と一元管理、リスク検知、営業機会の管理、エンゲージメントの自動化、AIによる会話分析 |
月額費用 | 要問い合わせ |
無料プラン/トライアル | 記載なし |
公式サイト:https://www.gainsight.co.jp/
Growwwing
(出典:Growwwing)
Growwwingは、株式会社ユニリタが提供するカスタマーサクセスプラットフォームです。顧客情報の一元管理、ダッシュボード、プレイブックによるタスクの自動生成、ヘルプデスク機能を備えています。Salesforceのアプリとして提供され、ライセンスにSalesforceプラットフォームが含まれるため、Salesforceを契約していない企業でも導入できます。
Growwwingの特徴
主な特徴:Salesforceのアプリとして動き、Salesforce未契約でも導入できる
向いている企業:既にSalesforceを使っていて、同じ基盤で顧客データを扱いたい企業、プレイブックで担当者の行動を標準化したい企業
Growwwingの基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
主な機能 | 顧客情報の一元管理、ダッシュボード、プレイブック管理、顧客Q&Aの一元管理 |
月額費用 | Essentials 72,000円/月〜(ログインユーザー20)/Advanced 120,000円/月〜/Advanced + LMIS 要問い合わせ |
無料プラン/トライアル | 無料体験版あり |
公式サイト:https://www.growwwing.jp/
Fullstar
(出典:Fullstar)
Fullstarは、クラウドサーカス株式会社が提供するノーコードのデジタルアダプションプラットフォームです。Webシステム上にチュートリアルやツールチップを設置し、顧客の自己解決とオンボーディングの定着を支援します。アンケート機能による顧客の声の収集や、利用率が下がった顧客の把握にも対応しています。
Fullstarの特徴
主な特徴:ノーコードで導入でき、費用負担を抑えやすい
向いている企業:まずは小さく試して、効果を見ながら拡張したい企業、エンジニアの工数をかけずに操作ガイドを整備したい企業
Fullstarの基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
主な機能 | チュートリアル作成、アンケート、利用状況通知(解約アラート) |
月額費用 | Free 0円/Light・for DAPプラン 初期費用+月額(金額は資料で確認)/Enterpriseプラン 要問い合わせ |
無料プラン/トライアル | Freeプランあり(ガイド・ツールチップ各1つ、サイト1つまで) |
公式サイト:https://fullstar.cloudcircus.jp/
テックタッチ
(出典:テックタッチ)
テックタッチは、テックタッチ株式会社が提供するデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)です。既存のWebシステムに操作ガイドやナビゲーションを後から追加でき、プログラミング不要で作成・修正できます。
大手企業や官公庁への導入実績があり、経済産業省の「Gビズフォーム」にも採用されています。
テックタッチの特徴
主な特徴:導入実績が幅広く、大規模システムへの組み込みに強い
向いている企業:大手企業や自治体・官公庁など、大規模なシステムを運用する組織、既存システムの改修を抑えて利活用を促進したい企業
テックタッチの基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
主な機能 | 操作ガイド・ナビゲーション、誤入力・誤操作の防止、行動データをもとにしたナビゲーション作成 |
月額費用 | 要問い合わせ |
無料プラン/トライアル | 無料トライアルの表記あり |
公式サイト:https://techtouch.jp/
Commune
(出典:Commune)
Communeは、コミューン株式会社が提供するコミュニティプラットフォームです。
顧客との信頼関係をコミュニティで築くことを目的とし、戦略設計から運営代行までをワンストップで提供します。投稿・コメント、ポイント・バッジ、イベント、Q&Aなど、交流を促す機能を備えています。
Communeの特徴
主な特徴:戦略設計から運営代行まで、ワンストップの伴走支援を受けられる
向いている企業:コミュニティの戦略設計から運営代行まで、伴走支援を求める企業、はじめてコミュニティ運営に取り組む企業
Communeの基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
主な機能 | コミュニティ構築、投稿・イベント管理、分析ダッシュボード、アンケート・投稿のAI解析 |
月額費用 | 要問い合わせ(初期費用+月額費用。ライト/スタンダード/プロフェッショナルの3プラン) |
無料プラン/トライアル | 記載なし |
公式サイト:https://commune.co.jp/
coorum
(出典:coorum)
coorumは、株式会社Asobicaが提供するホンネデータプラットフォームです。
顧客の本音を集めるコミュニティのほか、アンケートリサーチ(coorum research)、販促キャンペーン管理(coorum promotion)などのプロダクトがあります。
coorumの特徴
主な特徴:コミュニティ運営に加え、顧客の声の収集・分析を一体で扱える
向いている企業:コミュニティ運営と、顧客の声の収集・分析を一体で行いたい企業、商品開発やブランド戦略に顧客の本音を反映させたい企業
coorumの基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
主な機能 | オンラインコミュニティ、顧客の声のリサーチ、データ統合・分析、販促キャンペーン管理 |
月額費用 | 要問い合わせ(プランやユーザー数により変動。コミュニティ/リサーチ/ロイヤル顧客向けの3プラン) |
無料プラン/トライアル | 記載なし |
公式サイト:https://coorum.jp/
チャネルトーク
(出典:チャネルトーク)
チャネルトークは、株式会社Channel Corporationが提供する、顧客理解のためのAIエージェントです。
チャット・電話・LINE・Instagram・メールなど複数の問い合わせ窓口を1つの画面に集約し、AIエージェント「ALF」が一次対応を担います。ALFの回答精度は、FAQやマニュアルなどのナレッジをもとにチューニングが可能です。
さらに「AI CoS(Chief of Staff)」ではチャットで質問するだけで、チャネルトークに蓄積された問い合わせデータの分析を自動化できます。
チャネルトークの特徴
主な特徴:CRM・ナレッジ運用・分析までを1つの画面で完結できる
向いている企業:チャットを主体に顧客対応をしたい企業、問い合わせ対応からAIの活用・分析までを1つのツールで進めたい企業
チャネルトークの基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
主な機能 | ALF、AI CoS、CRMマーケティング、ワークフロー、ドキュメント、問い合わせ別統計 |
月額費用 | 無料+ 0円/Startup 20,000円/月(創業3年以内の企業)/Business・Enterprise お問い合わせ。税別・年間契約(月額分割払い可) |
無料プラン/トライアル | 無料プランあり。すべての有料機能を14日間トライアル可能 |
公式サイト:https://channel.io/jp
Zendesk
(出典:Zendesk)
Zendeskは、Zendesk, Inc.が提供する顧客サポートプラットフォームです。メール、チャット、電話、SNS、メッセージアプリ、ヘルプセンターから寄せられる問い合わせを、ひとつの画面で管理できます。
Zendeskの特徴
主な特徴:チャネル横断の問い合わせを一元管理し、サポート業務の標準化に強い
向いている企業:複数チャネルの問い合わせをチケットとして一元管理したい企業、サポート業務の標準化・効率化を重視する企業
Zendeskの基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
主な機能 | チケット管理、マルチチャネル対応、ヘルプセンター構築、レポート分析 |
月額費用 | Support Team 19米ドル/Suite Team 55米ドル/Suite Professional 115米ドル(いずれもエージェント1人・月、年払い)/Suite Enterprise 要問い合わせ |
無料プラン/トライアル | 14日間の無料トライアルあり |
公式サイト:https://www.zendesk.co.jp/
※料金は2026年10月に各社の公式サイトで確認した内容です。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
カスタマーサクセスツールのタイプ別の選び方
同じタイプの2つのツールは、何で選び分ければよいのでしょうか。
この章では、タイプごとに判断の軸を整理します。
ヘルススコア型:GainsightとGrowwwing
GainsightとGrowwwingは、どちらも顧客データを一元管理できますが、向いている企業は異なります。
GrowwwingはSalesforceのアプリとして動くため、Salesforceを使っている企業と相性のよい製品です。一方Gainsightは、海外の大手SaaS企業でも採用例が多く、より広い機能範囲を求める企業向けです。
オンボーディング型:Fullstarとテックタッチ
Fullstarとテックタッチは、向いている導入の進め方が異なります。
Fullstarはノーコードで、無料プランから始められるため、まず小さく試したい企業に向きます。テックタッチは大手企業や自治体まで幅広く導入されており、大規模なシステムへの組み込みに強みがあります。
コミュニティ型:Communeとcoorum
Communeとcoorumは、どちらもコミュニティを軸にしています。
Communeは、戦略設計から運営代行までの伴走支援を含めて任せたい企業向けです。
一方coorumは、コミュニティに加えて顧客の声の収集・分析まで一体で扱いたい企業に向きます。
問い合わせ・顧客接点型:チャネルトークとZendesk
チャネルトークとZendeskでは、重視するポイントが異なります。
チャネルトークは、チャットを主体にしたい企業や、AIの活用・チューニング・分析を自社で進めたい企業に向いています。CRMマーケティングによるセグメント配信、ALFによるナレッジのチューニング、AI CoSによる分析までを1つの画面で完結できる点が特徴です。
一方Zendeskは、問い合わせをチケットとして一元管理する運用を基本にしたい企業に向いており、サポート業務の標準化に強みがあります。
導入後に使われなくなる3パターン
カスタマーサクセスツールは、導入そのものよりも、導入後に使われ続けるかどうかが成果を左右します。
この章では、使われなくなる典型的な3つのパターンを解説します。
運用担当者が決まっていないと、どうなるか?
運用担当者が決まっていないと、ツールへのデータ入力や確認が後回しになり、やがて誰も見なくなります。
ツールは導入して終わりではなく、日々の入力や確認を続けて初めて機能するものです。
バーチャレクス・コンサルティング株式会社の2025年の調査では、自社でカスタマーサクセスに取り組み、その効果を実感している担当者に、成果が出た要因は何だと思うかを尋ねています。
「導入したソフトウェアを効果的に活用できた」が36.2%、「カスタマーサクセスの取り組みを継続した」が32.0%でした。
調査では、継続的な改善とツールの積極的な活用が成果に結びついているとまとめられています。導入時に運用担当者を決めたうえで、日々の入力や確認を続けていくことが大切です。
指標を追いすぎると、何が起きるか?
指標を追いすぎると、どの数字で動けばいいか分からなくなり、結局どの指標も活用されなくなります。ヘルススコア、NPS(顧客推奨度)、利用率など、見られる指標が増えるほど、現場の判断は遅くなりがちです。
まず1つか2つの指標に絞り、それを起点にアクションする運用から始めることをおすすめします。指標を追加するのは、最初の運用が定着してからでも遅くありません。
ヘルススコアを人事評価に直結させると、何が問題か?
ヘルススコアを人事評価に直結させると、担当者が数字を良く見せることを優先し、本来の目的である顧客の成功から意識がそれてしまいます。ヘルススコアはあくまで顧客の状態を示す参考情報であり、担当者の評価軸としては不向きです。
評価に使う場合も、ヘルススコアそのものではなく、顧客への対応プロセスを評価対象にする設計が望ましいといえます。
よくある質問
カスタマーサクセスツールを選ぶときに迷いやすい点を3つ取り上げます。
無料で使えるツールはあるのか、顧客数が少ない段階でも専用ツールが必要なのか、複数のタイプを組み合わせてもよいのか、という疑問です。
ここまでの章で触れた選定基準やタイプの違いを前提に、判断の目安を短くまとめました。迷ったときは、この章の答えを出発点に、自社の運用体制と予算に照らして判断してください。
Q. 無料で使えるカスタマーサクセスツールはありますか?
無料プランを用意しているツールがあります。本記事で紹介した8ツールでは、FullstarにFreeプラン、チャネルトークに無料プランがあります(2026年10月時点)。
無料プランは機能や人数に制限があるため、まず試したい範囲を決めてから使い始めるとよいでしょう。
Q. 顧客数が少ない段階でも、専用ツールは必要ですか?
顧客数が少ないうちは、スプレッドシートと問い合わせ対応の仕組みで顧客の状態を追えることが多いです。
担当者1人で顧客を把握しきれなくなった時点が、ヘルススコア・顧客管理型を検討する目安になります。
先に問い合わせ・顧客接点型で顧客との接点とデータをためておくと、後からスコアの設計に活かせます。
Q. 複数のタイプのツールを組み合わせてもよいですか?
組み合わせて使えます。問い合わせ・顧客接点型を土台に、ヘルススコア・顧客管理型やコミュニティ型を足す形が考えやすいでしょう。
ただし、顧客管理や分析の機能はタイプをまたいで重なりやすいため、どのツールのデータを正とするかを決めてから導入してください。
まとめ
カスタマーサクセスツールは、ヘルススコア・顧客管理型、オンボーディング・操作ガイド型、コミュニティ型、問い合わせ・顧客接点型の4タイプに分かれます。
タイプによって得意領域は異なります。
選定の際は、何の意思決定に使うか、どのデータを取り込むか、運用体制、費用、既存ツールとの連携という5つの基準に沿って整理することが重要です。
また、ツールは導入して終わりではなく、運用担当者の配置や、追う指標を絞り込むことが、使われ続けるための分かれ目になります。
問い合わせ対応から能動的な顧客管理、分析までを1つのツールでまとめたい場合は、チャネルトークのような選択肢も検討の余地があります。
自社の運用体制に合ったツール選びの参考に、ぜひ本記事をお役立てください。