カスタマーサービス(CS)とは?AI時代に顧客が求める対応と高め方
カスタマーサービスとは、購入前から購入後まで顧客に必要な情報や手助けを届ける活動全体です。カスタマーサポートやコールセンターとの違い、顧客が求める対応の姿、AIと人の役割分担、質を高める4つの方法を、顧客対応部門の責任者向けに解説します。
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「問い合わせにAIで即答したい」という声が社内で高まっています。一方で、「企業にAIで対応されるのは不満だ」と感じる顧客も少なくありません。
カスタマーサービスの現場では今、効率化への期待と顧客の本音との間で、何を優先すべきか悩む場面が増えています。
カスタマーサービスとは、商品やサービスの購入前から購入後まで、顧客が必要とする情報や手助けを提供する活動全体を指します。満足して使い続けてもらうことが目的です。
本記事では、カスタマーサポートやコールセンターとの違い、顧客が本当に求めている対応の姿を解説します。あわせて、AI時代だからこそ考えたい人とAIの役割分担や、質を高める4つの方法も取り上げます。
自部門の顧客対応を「問い合わせ窓口」から一歩先へ進めたいとお考えの方は、ぜひ本記事の内容をお役立てください。
カスタマーサービスとは?意味を解説
カスタマーサービスとは、商品やサービスの購入前から購入後まで、顧客に必要な情報や手助けを届ける活動全体です。問い合わせへの対応だけでなく、購入前の相談や案内、手続きの説明、購入後のフォローまでを含みます。
この章では、カスタマーサービスの対象と、よく混同されるカスタマーサポートとの関係について解説します。
カスタマーサービスの対象はどこまで?
カスタマーサービスの対象は、購入前の相談から購入後のフォローまで、顧客との関わりすべてです。具体的には、購入を迷っている段階の相談対応や購入時の手続き説明、購入後のトラブル対応までが含まれます。
そのため、特定の部署や業務だけでなく、企業全体の姿勢として捉えられることが多い概念です。
カスタマーサポートとの関係は?
カスタマーサポートは、カスタマーサービスに含まれる一部の業務です。
すでに商品やサービスを利用している顧客からの問い合わせやトラブルに対応する、受動的な業務を指します。一方でカスタマーサービスは、購入前の相談対応や案内も含むため、より範囲の広い概念といえます。
両者を混同すると、問い合わせ対応だけが評価対象になりがちなので、違いを意識して使い分けることが重要です。
似た言葉との違いを比較
カスタマーサービスは、カスタマーサポート・カスタマーサクセス・顧客満足度(CS)・コールセンターと混同されがちです。違いを整理する軸は、目的・動くタイミング・対象の範囲の3つです。
この章では、「CS」という略語の注意点と、比較表をもとにしたそれぞれの違いを解説します。
「CS」はなぜ紛らわしいのか?
「CS」は、顧客満足度(Customer Satisfaction)のほか、カスタマーサービス(Customer Service)・カスタマーサポート(Customer Support)・カスタマーサクセス(Customer Success)の略としても使われます。
そのため、社内で「CS」を使う際は、どの意味を指すのかをあらかじめそろえておくことが重要です。
比較の軸は何か?
カスタマーサービスと4つの言葉は、目的・動くタイミング・対象の範囲という3つの軸で比較できます。
用語 | 目的 | 動くタイミング | 対象の範囲 |
|---|---|---|---|
カスタマーサービス | 顧客満足と関係構築 | 購入前〜購入後の全接点 | 最も広い(他すべてを含む) |
カスタマーサポート | 問い合わせ・トラブルの解決 | 問い合わせを受けてから | 個別の問い合わせ対応 |
カスタマーサクセス | 契約後の成果創出・解約防止 | 契約後、能動的に先回りして | 契約中の継続的な関係 |
顧客満足度(CS) | 満足度の測定・改善 | 対応後や一定期間ごと | 満足度という結果の指標 |
コールセンター | 電話チャネルでの対応 | 電話がかかってきた時 | 電話での対応が中心 |
カスタマーサービスが果たす4つの役割
カスタマーサービスが担う役割は、主に4つに整理できます。
顧客体験の向上、リピート率とロイヤルティの強化、ブランド価値の向上、クレームを改善の機会に変えることです。
この章では、それぞれの役割がなぜ重要なのかを解説します。
顧客体験(CX)を高める
顧客体験(CX)とは、顧客が商品やサービスに触れる中で得る体験全体のことです。
カスタマーサービスは、購入前の相談から購入後のフォローまで、顧客が企業と接するあらゆる場面に関わります。
そのため、対応の質がそのままCXの評価につながります。
リピート率とロイヤルティを強化する
丁寧なカスタマーサービスは、顧客が再び利用したいと感じるきっかけになります。
問い合わせ時の対応に満足した顧客は、商品自体への評価だけでなく、企業そのものへの信頼を深める傾向があります。結果として、リピート利用や長期的な関係構築につながります。
ブランド価値を高める
問い合わせへの対応の良し悪しは、レビューや口コミ、知人への紹介という形で外に伝わります。良い対応の体験は好意的な評価として広がりますが、冷たい対応の記憶も同じように広まりやすいものです。
そのため、日々の対応の積み重ねが、そのままブランドの評価になります。
クレームを改善の機会に変える
クレームは、顧客からの重要なフィードバックでもあります。
問題を一度きりの対応で終わらせず、商品やサービス、対応フロー自体の改善につなげることで、同じ不満の再発を防げます。
そのため、クレーム対応は「火消し」ではなく「改善の入口」として扱うことが重要です。
顧客が求めるカスタマーサービスの姿
顧客が求めるカスタマーサービスの姿は、正確さとスピード、共感、わかりやすさ、そして対応品質の均一性に集約されます。
この章では、それぞれの観点について解説します。
なぜ正確さとスピードが重視されるのか?
顧客は、問い合わせの多くを「困っている状態」で行っています。
そのため、速く対応してもらえるかどうかは、不安を早く解消できるかどうかに直結します。加えて、誤った案内は二度手間や不信感につながるため、正確さとスピードは両立させるべき要素です。
問題を一度で解決できる力も、この延長線上にある重要な観点です。
共感・傾聴・わかりやすさとは?
共感とは、顧客の状況や感情に寄り添う姿勢のことです。
問題の解決策を急ぐ前に、まず顧客の話を丁寧に聴くことで、顧客は「理解してもらえた」と感じやすくなります。
そのうえで、専門用語を避けたわかりやすい説明を行うことが、満足度を左右します。
対応品質を均一にする重要性
顧客は、対応する担当者によって説明のわかりやすさや解決スピードが変わることを望んでいません。
特定の担当者の経験や勘に頼った対応は、組織としての信頼を損なうリスクがあります。そのため、誰が対応しても一定水準の品質を保てる仕組みづくりが欠かせません。
AI時代に求められる人とAIの役割分担
カスタマーサービスでは今、AIをどこまで活用すべきかの判断が重要なテーマになっています。顧客側には「AIに任せてほしくない」という声がある一方、現場にはAI導入を求める圧力があるためです。
この章では、調査データをもとに、人とAIの適切な役割分担の考え方を解説します。
顧客はAI対応をどう感じているか?
顧客の多くは、カスタマーサービスでのAI活用に慎重な姿勢を示しています。Gartnerは、2023年12月に顧客5,728人を対象に調査を実施しました(2024年7月9日発表)。
この調査によると、64%の顧客が「企業にはカスタマーサービスでAIを使ってほしくない」と回答しました。
さらに53%の顧客は、企業がAIを使うと知った場合に競合への乗り換えを検討すると答えています。顧客が最も懸念しているのは、人の担当者につながりにくくなることです。
なぜ現場はAI活用を迫られるのか?
一方で、現場側にはAI導入を進める圧力がかかっています。
同じ調査では、カスタマーサービスの責任者の60%が「AIを導入するよう圧力を受けている」と回答しています。
効率化や人手不足への対応を背景に、現場にはAI活用が求められています。
定型対応はAI、判断は人という設計
顧客の懸念と現場の圧力、両方に向き合うには、AIと人の役割を明確に分けることが有効です。よくある質問や定型的な手続きの案内はAIが即答し、個別の事情を踏まえた判断は人が担う、という設計です。
そのうえで、AI対応から人への引き継ぎ経路をはっきり残しておくことが、顧客の不安を和らげるポイントになります。
カスタマーサービスの質を高める4つの方法
カスタマーサービスの質を高めるには、主に4つの方法があります。
顧客の困りごとを把握する
教育・研修を行う
KPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的に見直す
ツールを活用して対応品質を底上げする
この章では、それぞれの具体的な進め方を解説します。
顧客の困りごとを把握する
顧客が何に困っているかを把握することが、質の高い対応の出発点です。
問い合わせの内容や頻度を記録・分析すると、よくある困りごとの傾向が見えてきます。
傾向をつかめば、FAQの整備や案内文の見直しなど、先回りした対応がしやすくなります。
教育・研修を行う
対応品質は、担当者個人の経験だけに頼ると安定しません。対応の基本的な考え方や、よくある問い合わせへの受け答えを教育・研修で共有することが重要です。新しく担当になった人でも、一定水準の対応ができる仕組みをつくることが目的です。
KPIを設定し見直す
KPIは、対応件数のような業務量だけで決めると、対応の質が見えなくなります。満足度や解決率といった指標もあわせて設定し、定期的に見直すことが重要です。
数値を定期的に振り返ることで、改善すべき点を具体的に把握できます。
ツールで対応品質を底上げする
困りごとの把握や教育・研修、KPI管理を効率的に進めるには、ツールの活用も有効です。たとえば、顧客理解のためのAIエージェント「チャネルトーク」なら、複数チャネルの問い合わせを1つの画面で管理できます。さらにチャネルトークのAIエージェント「ALF」を組み合わせると、定型的な問い合わせへの一次対応を自動化できます。
担当者は複雑な相談に、よりいっそう集中できるようになります。
顧客対応に特化したAIチャネルトーク
All-in-one AIメッセンジャーのチャネルトークと共に、未来に備えましょう。
Channel.io

国内企業の取り組みに学ぶ
ここでは、カスタマーサービスを「コストセンターからプロフィットセンターへ」変えようとしている取り組みを1つ紹介します。
コアラマットレスの挑戦に学ぶ
(出典:CHANNELCON26「コアラマットレス(Koala JP K.K.)」登壇資料より)
コアラマットレスは、寝具・家具を扱うD2Cブランドです。同社はカスタマーサービスを、単なる問い合わせ窓口ではなく事業成長の起点として位置づけています。
同社は、複数チャネルに分散していた問い合わせ対応をチャネルトークに一本化しました。これにより、顧客対応の履歴管理とVoC(顧客の声)の可視化を進めています。
AI活用の目的も明確です。商品仕様や配送、返品手続きといった定型的な問い合わせは、ALFが一次対応を担っています。そのうち商品仕様などナレッジに関する回答では、ほぼ100%に近い正答率を実現しています。
空いた時間は、担当者自身の裁量でお祝いのギフトを贈るなど、人にしかできないおもてなしに充てています。
まとめ
カスタマーサービスとは、購入前から購入後まで、顧客に必要な情報や手助けを届ける活動全体です。カスタマーサポートなど似た言葉との違いを整理し、顧客体験やブランド価値への貢献、顧客が求める対応の姿を確認してきました。
AI時代においては、顧客の多くがAI対応に慎重な一方、現場には活用の圧力があります。
そのため、定型対応はAIに任せ、判断が必要な場面は人が担うという役割分担が重要です。
さらに、困りごとの把握、教育・研修、KPI管理も欠かせません。
これらにチャネルトークやALFのようなツールを組み合わせることで、対応品質を底上げできます。
コアラマットレスの事例が示すとおり、カスタマーサービスは問い合わせ窓口にとどまらず、事業成長を支える起点になり得ます。
自部門の現状を見直すきっかけとして、本記事の内容をお役立ていただき、ツールの活用もあわせてご検討ください。