CEO Jay が語るCHANNELCON26「AI is Here ― Back to the Customer Driven」
CHANNELCON26当日の様子とCEO Jayのインタビューを掲載しています。
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6月4日、東京・TODA HALL & CONFERENCE TOKYOで、チャネルトーク主催のカンファレンス「CHANNELCON26」が開催されました。
「CHANNELCON」は、2024年・2025年には韓国で開催され、最大600人規模の動員を記録しました。日本市場においてもチャネルトークの導入企業が急増しており、顧客接点を担うさまざまな部門でAI活用への関心が高まっています。こうした背景を受け、2026年は満を持して日本での初開催を決定いたしました。
そんなCHANNELCON26のテーマは「AI is Here ― Back to the Customer Driven」。
AIが一般化した時代、企業がいかに顧客と向き合うか。
その本質的な問いに、日本のトップ企業たちが登壇し、リアルな事例を語りました。
チャネルトークCEO Jayは Opening Keynoteで「AIの本質は自動化ではなく、企業が顧客と向き合える環境をつくること」と語り、その理念と実装の道のりを示しました。
本記事では、当日のJayのKeynote内容を振り返りながら、Jayへのインタビューを掲載しています。カンファレンスの全体像をお伝えするとともに、Jayが考える「AI時代のビジネス」の本質をお伝えします。
Opening Keynoteを振り返る
登壇テーマ:「AI is Here ― Customer Driven を、理念から実装へ」
Opening Keynote中核メッセージは、AIの成果の本質は自動化ではなく、企業が Customer Drivenに向き合えるようになることにあるということです。
チャネルトークを日本で開始した11年前、顧客に目を向けていなかったために生じた失敗談から学んだ「Customer Driven」は、現在の「答えは顧客の中にある」というビジョンへと深化し、いまなお企業の意思決定の中心にあります。
Jayが指摘したのは、現在の日本企業が直面する課題です。
AI活用が進む一方で、多くの企業が「効率化」や「コスト削減」を AI導入の目的としているが、本来の価値はそこにはないと語りました。
では、本来のAI活用の価値とは何か。
それは、AIに定型業務を任せることで、人間は「顧客の声に耳を傾ける」という本来の営みに専念できるようになることです。
チャネルトークは創業から現在まで、常に「Customer Driven」を経営の中心に据えてきました。Jayは、その顧客主義という本質へと向き合い続けてきた歩みを改めてお伝えするとともに、今、その価値観が改めて問われている時代であることを強調しました。
Keynoteのポイント
日本企業の現状
AI活用が進む一方、日本企業のAI活用は55.2%と、先進国平均90%超と大きな差がある。
AIの誤解
多くの企業が「効率化」や「コスト削減」をAI導入の目的としているが、本来の価値はそこにはない
本質
AIに定型業務を任せることで、人間は「顧客の声に耳を傾ける」という本来の営みに専念できる
チャネルトークの立場
創業から現在まで、「Customer Driven」を経営の中心に据えてきた。今、その価値観が改めて問われている
チャネルトークの現在と未来:Full Demo Session
そして、チャネルトークからの今回の大きな発表が、6月末リリース予定の新サービス「CoS」。
これまで分析の専門家やマネージャーが1週間かけて作っていたお問い合わせ分析ダッシュボードを、新入社員やCS担当者でもわずか5分で作成可能に。数ヶ月かかっていたリサーチもCoS上で完結します。
さらに、分析するだけでなく、自然言語でそのままマーケティングキャンペーンを作成できるのが大きな進化点です。
ハイライトはCEO Jayによる「Full Demo Session」。
CoSで作成したマーケティングキャンペーンから、会場の参加者へ一斉にAIが電話をアウトバウンドコールを発信。
Jayの声で話すAIオペレーターが、CHANNELCON26の評価アンケートをその場で実施するというライブデモを披露しました。
「分析 → キャンペーン作成 → アウトバウンドコール→結果分析」までを自然言語だけで繋ぐ様子は、AI時代のマーケティングの解像度を一気に引き上げるものでした。
CEO Jayが語るCHANNELCON26
なぜいま「Customer Driven」を改めて掲げたのか?
私は、顧客の声を中心に考える「Customer Driven」がビジネスの本質でなかったことは一度もないと考えています。むしろ、インターネットの発達や非対面顧客の増加、リソースの不足により、顧客とコミュニケーションを取り、顧客を理解することが難しくなったことが、ここ20年間の問題だったと考えています。
AIは、こうした時代的な問題を解決してくれる新しいツールです。
AI革命によって、企業がより顧客に集中できる環境を作り出すことができるようになりました。今後、AIを活用して顧客に集中するか、あるいは「効率化」という名目で顧客の声を無視するかによって、ビジネスの成果は大きく変わってくると思います。
CHANNELCON26が示した業界の課題
日本企業が直面する課題は、採用市場の逼迫と業務の属人化です。
CSスタッフの負荷が増す一方で、離職も増え、ノウハウが失われていく—こうした悪循環を感じます。
しかし本当の課題はそこではなく、「なぜAIを使うのか」という問いに答えられていないことです。効率化やコスト削減という小さな目的に留まれば、AIは単なるリストラツールになってしまいます。
VOCを収集・整理し、活用していくことで「CSをコストセンターではなく企業を成長させるエンジンに」する。登壇企業たちが示していたのは、その先の使い方でした。
AIでCSはこう変わる
これまでCSは、単純かつ定型的な問い合わせの対応にリソースの80%以上を費やしてきました。AIを活用した問い合わせ対応により、これまで費やしていたリソースの5倍を確保できることになります。
私は、これからはCSが主に3つの業務を担うようになると予想しています。
第一に、VIPとの対話、あるいは顧客の感情的な対応です。人が直接対応することには、プレミアムが付くようになるでしょう。
第二に、AIの設定および管理です。従来5人で担当していた業務を、1人でこなすことになるでしょう。
最後に、顧客の声を社内に伝えることです。意思決定に必要なVOC(顧客の声)を適切に整理し、社内の様々な組織に対してコミュニケーションを通じて説得する役割を担うことになるでしょう。
結局のところ、どの道を選んだとしても、現在よりも生産性が高く、ビジネスにおいてより重要な役割を果たすようになるものと予想しています。
登壇企業に共通していた視点は?
今回登壇してくださった企業の皆様は全員「自動化=人手の削減」ではなく「自動化=人間の価値向上」という等式を持っていました。
withでは定型業務を自動化した分、感情に寄り添う対応に時間を使う。Koala JPは顧客の声をグローバル経営まで届かせ、SODAは信頼構築に人間を集中させる。
共通していたのは「顧客の声」を経営の中心に置く文化です。CSだけがCustomer Drivenなのではなく、企業全体の意思決定が「顧客優先」になっている。それが昔から変わらないビジネスの本質です。
新サービスCoSが示すこれからのロードマップは?
CoSは、顧客とのコミュニケーションに注力してきたチャネルトークが、顧客理解の領域へとさらに拡大するための新しいAIエージェントです。
まず、VOCや顧客のCRM分析を誰でも簡単にできるようになります。
意思決定を行う際、単に直感に頼ったり、限られたアンケートや顧客サンプルだけで判断したりする必要がなくなります。
また、外部データと連携することで、これまで解釈が難しかった様々なデータの変化に、「顧客の声」という命を吹き込むことができます。
「ああ、売上が落ちた時、顧客はこんな反応をしていたのか」といったように、結果に対する原因をVOCで解釈することが可能になります。
CoSは今後、より多くのデータを容易に連携させ、顧客の声をしっかりと集約することで、ビジネスが顧客主導の意思決定を行えるよう支援していきます。
CHANNELCON26から見えるトレンド
イベントには、ユナイテッドアローズ、Shopify Japan、Notion Labs Japan、Koala JP、SODAなど、業種・規模が異なる企業が登壇しました。
それでも共通していたのは、一つの認識:「AI = 自動化」ではなく「AI = 人間の価値を最大化するツール」
登壇企業が示した「AI時代のCustomer Driven」と「次世代CS」の形を追ってみます。
株式会社with:「安心の先にある親密さへ」
登壇者:Customer Care マネージャー 藤平 直也氏
安全・安心の領域ではAIに任せて、顧客の「感情」に寄り添う部分に人間のリソースを集中させる。
有人対応が減ったからこそ見えた「次世代CSの戦い方」とは何か。嬉しい時、悲しい時に顧客に寄り添う「温度感」をAIに求めた理由、そして新しいCSのあり方を語りました。
トレンド:自動化の先にある、ユーザーの安心安全と幸せの実現をサポートするCSの使命
株式会社グレイ・パーカー・サービス:「AIと人が共感するCSの現在地」
登壇者:
WEB事業部 部長 小林 辰也氏
WEB事業部 主任/CRM担当 宇津野 悠華氏
「ちいかわ」「mofusand」など人気IPを扱う組織だからこそ、顧客との接点は「効率化」ではなく「体験創出」を優先。
AI が単純業務を引き受けることで、チームが「付加価値」に全振りできる環境(インフラ)を整備。業務の自動化と人間しかできない付加価値の最大化の両立を、実例を交えて解説しました。
トレンド:単純業務をAIに渡した先に、人にしかできない仕事がある。
株式会社博報堂コンタクト&ロジスティクス
登壇者:ビジネスデザイン本部 靏見 亮太氏
Channel Corporationは、企業のAI活用を加速させるパートナー連携を強化しています。本セッションでは、株式会社博報堂コンタクト&ロジスティクス様をゲストに迎え、AIと博報堂グループの融合がもたらす次世代の顧客体験と、共創が生む新たな価値についてお話ししました。
トレンド:生活者データドリブンの顧客接点課題の解決支援。
Koala JP:「コアラマットレスのカスタマードリブン」
登壇者:カスタマーサービス シニアチームリード 諸橋 佳乃子氏
グローバル本社の経営判断を、日本チームの顧客対応の現場から覆すほどの「顧客の声」の力。マットレスを売るはずのCSが、なぜ顧客の記念日を祝うのか。AIに定型業務を任せた分を、「非効率だが愛のある対応」に充てるKoala JPのカスタマードリブン戦略。グローバル企業の中での「日本の特別性」を守る経営判断を語りました。
トレンド:CSはライフスタイルの転換点を支えるアンバサダーへ。
株式会社SODA:「応対自動化が切り拓くスニダンCSの未来」
登壇者:Customer Support部 マネージャー 阿部 幸太氏
真贋鑑定というクリティカルな業務が中心だからこそ、信頼が全て。
AIで自動応答できることは自動化し、人間にしかできない「信頼構築」に時間をかける。CSが組織全体のOSとなり、ユーザーの「代理人」として動き始めた SODA の現在地。効率化は「目的」ではなく「手段」とし、「人が考える時間」の確保がもたらす成果を語りました。
トレンド:CSは「コストセンター」からユーザーの意思を持った「PM」になる。
株式会社オンワードデジタルラボ & 株式会社ユナイテッドアローズ:「AIの時代に、接客はどう変わるか」
登壇者:
株式会社オンワードデジタルラボ/カスタマーサクセスDiv.ECカスタマーサポートSec. 課長 野沢 真貴子氏
株式会社ユナイテッドアローズ/EC推進部ECオペレーション課 ECグロースチーム 金井 拓也氏
長年にわたり顧客との関係を起点にビジネスを構築してきた、大手アパレル2社。
AI時代に、接客はどう変わるのか。アパレルビジネスの現在地と、デジタル時代のカスタマードリブン戦略について、リアルな対話を通じて解き明かしました。
トレンド:体験こそ商品。人間にしかできない「関係構築」の再評価。
Notion Labs Japan合同会社 & Shopify Japan株式会社:「最も早く成長したグローバルSaaS企業はAI時代をどう準備しているのか」
登壇者:
Notion Labs Japan合同会社/ビジネスグロース営業部 統括部長 平田 旭氏
Shopify Japan株式会社/パートナー事業本部 本部長 五十嵐 恒氏
NotionとShopify。「世界で最も急成長したSaaS」と呼ばれた両社は、AI時代をどう捉えているのか。ワークスペースとコマースの進化、日本市場が特別であり続ける条件、そしてAIエージェントに託すべき業務まで、さらなる未来を語り尽くすパネルディスカッションとなりました。
トレンド:人間だけの職場環境ではなく、AIと人間のための「職場環境」を構築。
Ebook化決定!
登壇企業が語った詳しい内容は、後日Ebookで配信予定です。
配信の際はSNSや公式サイトでご案内します。
クロージング&ビジョン
CHANNELCON26から見えたのは、日本企業のAI活用が確実に「次のステージ」に入ったということです。
効率化の時代は終わった。これからは「顧客と企業の関係をどう変えるか」の勝負。
登壇企業たちは、AIを「人間を減らすツール」ではなく「人間の可能性を広げるもの」として使いこなしています。
その結果として:
CSスタッフの士気が上がり
顧客体験の質が上がり
企業と顧客の信頼が深まっている
チャネルトークはこれからも、企業がCustomer Driven に向き合える環境づくりに注力していきます。
AIの成果の本質は自動化ではなく、企業がいかに顧客の声に向き合えるようになるか。
その本質を、プロダクト、パートナーシップ、コミュニティを通じて実現していきます。
イベント終了後の交流会
イベント終了後、ロビーで開催された交流会では、登壇者や参加者たちが、AI時代のカスタマードリブンについて熱く議論を交わしました。
これまで関わることのなかった企業の担当者同士が繋がる機会となり、CSやCX、これからのセールス戦略について深い話ができたようです。