「CHANNELCON26」イベントレポート

AI時代のカスタマードリブン経営、350人が目撃した「次世代CS」の未来

Aida • Marketing|SEO・LLMO対策が専門領域。AIプロンプト開発の知見を活かし変化の激しい検索市場における最適解を追求。技術の進歩をビジネス成長へ繋げるための実践的な情報を発信しています。

  • イベント
  • お知らせ

AIが当たり前になった今、日本企業のCS領域はどう変わるべきでしょうか。

日本のAI活用率は55.2%と先進国の半分以下です。この課題の背景にあるのは、単なる技術導入の遅れではなく、AI時代のビジネス設計そのものに対する見方の違いかもしれません。

2026年6月4日に開催されたCHANNELCON26は、株式会社Channel Corporation主催のビジネスカンファレンスです。

今回掲げたテーマは「AI IS HERE」。約350名が一堂に会した本イベントでは、AI時代における顧客対応・セールス・CXのAI活用事例が集結しました。

本記事では、会場で示された「AI時代のカスタマードリブン経営」とイベント当日の様子をご紹介します。

イベント概要

  • イベント名:CHANNELCON26

  • テーマ:AI IS HERE - Back to the Customer Driven

  • 開催日時:2026年6月4日(木)13:30 ~ 18:00

  • 開催場所:TODA HALL & CONFERENCE TOKYO

  • 主催:株式会社 Channel Corporation(チャネルトーク)

  • 参加人数:350人

  • 参加企業数:235社

  • イベント参加層:CS/CX領域の責任者、マーケティング担当者、企業経営層

なぜいま「Customer Driven」なのか

日本企業のAI活用は進みながらも、先進国平均90%超に対して55.2%と、大きな開きがあります。この差を生み出す要因は何でしょうか。

業界の多くの課題は、「効率化のためのAI導入」に陥っていることです。自動化による業務削減を目指すあまり、本来ビジネスが目指すべき「顧客との向き合い方」が後回しにされる傾向にあります。

CHANNELCON26が掲げたテーマ「AI IS HERE」は、このパラドックスへの強いメッセージです。AIが高度化した今だからこそ、企業は本来やるべき仕事に時間を使える時代が来たという提唱です。それは、AIの進化を「脅威」ではなく「機会」として捉える視点の転換といえます。

アーカイブ配信受付中!

当日の様子を撮影したアーカイブ配信を予定しています。

ご希望の方はお申し込みフォームより必要事項をご入力ください。

Opening Keynote:4000年の顧客対応の歴史から考えるAI時代のビジネス設計

登壇者:株式会社 Channel Corporation CEO Jay

4000年前のクレームが示す「顧客の声」の本質

CHANNELCON26の幕開けを飾ったのは、チャネルトーク創業者・CEOのJayによるOpening Keynoteです。

会場に設置された年表展示の冒頭に記されていたのは、4000年前のメソポタミアの書院「エイナ・シル」が受け取った顧客からのメッセージでした。その内容は、シンプルにしてインパクト強烈。「サービスは最悪です」という一言のクレームです。

「これはビジネス史上初のVOC(Voice of Customer)と考えられています」。

Jayはこのように指摘しました。驚くべきことに、ビジネスの歴史と同じく、顧客の声は4000年前から存在していたのです。

テクノロジーは変わっても、企業が本来向き合うべき課題は変わらない。これこそが、CHANNELCON26のテーマ「AI IS HERE」の核心を成すメッセージなのです。

AIの時代に求められる2つの選択肢

Jayが会場に投げかけた問いは、明確でした。

「私たちには2つの選択肢があります。1つ目、AIを使って顧客の声を聞かない。2番目、AIを使って顧客に向き合う。皆さんはどちらでしょうか」

この問いかけは、AI導入を検討するすべての企業に突きつけられた課題です。

多くの企業がAIを単なる「効率化ツール」と捉えがちですが、チャネルトークが11年間追い続けてきたのは、AIを「顧客理解」の武器にするという考え方です。

11年のビジネス経験から学んだこと

Jayが日本にやって来たのは11年前。韓国出身の起業家が日本市場に挑む際、最初は失敗の連続でした。流行りのマーケティング手法を試みてみたが、すべて空振り。

その共通点は何か。

「顧客に合わない選択肢だった」という一言に尽きます。

追い詰められたJayが選択したのは、ひたすら顧客に会うこと。

日本語も完全ではない中での営業活動は緊張の連続でしたが、顧客との対話の中から、チャネルトークの本当の価値が見えてきました。

特にスタートアップの経営者たちが求めていたのは、サービスではなく「Customer Driven」という文化そのものだったのです。

顧客の声から生まれた機能、AIエージェント「ALF」

顧客との対話を重ねる中で、チャネルトークは継続的に機能を進化させてきました。その最新形が、AIエージェント「ALF」(アルフ)です。

「採用が難しい、CS のメンバーがすぐ辞めてしまう。人手不足解消のためにチャネルトークがAIを開発してほしい」。こうした顧客の声に応える形で開発されたALFは、単なる自動応答ツールではありません。顧客の問い合わせ意図を理解し、必要なナレッジを検索し、人間のオペレーターのように対話するAIです。

導入企業からは驚くべき結果が報告されています。

業界平均の自動解決率が40%であるのに対し、チャネルトークの実績は80%。さらに、Alfを導入した企業では、顧客からのAIへの問い合わせが人間のオペレーターへの問い合わせを上回るケースも出ています。

「これは何を意味するのか。それは、今までコミュニケーションができる窓口がなかったということなのです」とJayは語りました。

事例紹介:ジモティーによるALF活用

ALFの活用事例として紹介された「ジモティー」は月間1000万人のユーザーを抱えながらも、社員約50名という限られた体制で事業を運営しています。一人あたりのパフォーマンス向上を課題とし、AIエージェント「ALF」を導入しました。

導入後、ユーザーは悩みをそのまま入力するだけで回答を得られるようになり、顧客体験が大きく向上しました。現在、問い合わせ全体の約7割をALFが対応しており、AI対応に対する顧客満足度は90%を超える成果を上げています。

導入前に懸念されていた情報保護や不適切な回答についても、プロンプト設計で適切に制御することができました。今後は人がより人に寄り添う業務に注力していく方針です。

CSから生まれるビジネスの未来

Jayが最終的に主張したのは、AIの活用が企業の組織構造そのものを変えるということです。従来、CSは「コストセンター」と見なされてきました。

しかし、ALFのような高度なAIの導入により、CSは企業の「ビジネスの中心」へと転換できます。人間のCS担当者がAIに定型業務を任せることで、初めて顧客の深いニーズを理解し、プロダクト開発に影響を与え、本当の意味で顧客と向き合う仕事ができるようになるのです。

登壇者プロフィール

Jay

株式会社 Channel Corporation CEO

チャネルトークを2013年に創業。韓国出身で、日本に来て11年。初期は失敗の連続だったが、顧客との対話を重視することで事業を転換。現在、チャネルトークは23万社以上が導入する規模へ成長。11年間「Customer Driven」の理念を追い続け、AIが普及した現代において、企業がようやく本来やるべき仕事に専念できる時代の到来を提唱している。

「安心」の先にある「親密さ」へ。AIと人が紡ぐ、withのカスタマーケア

登壇者:株式会社with Customer Care マネージャー 藤平 直也氏

マッチングアプリ「with」は、2025年満足度1位を獲得し、毎月12,000人以上のカップルが誕生する累計会員数1,500万人に及ぶ日本最大級のプラットフォームです。

withが直面していた課題は、顧客対応が1日の一定時間に限定される一方、ピークタイムが夜間であることでした。複数のAIベンダーを検討する中、チャネルトークのALFが異彩を放ちました。他のAIが「機械的」で「不正確」であるのに対し、ALFは顧客の感情に寄り添う「温度感」が全く異なっていたのです。

導入後、メール問い合わせは低下する一方、ALFへの相談は急速に増加。最大の発見は、メール対応では言いづらかった悩みが大量に存在していたこと。「サイレントカスタマー」の声をALFが拾い、新しい顧客体験が生まれました。

対応時間は減少しましたが、「AIのマネージメント・育成」という新しい業務が生まれ、全体の業務量は変わりません。

「AIがどれだけ発展しても、CSの本質は変わらない。温もりと寄り添いはむしろ大きく、幅広く届けられるようになる」という藤平マネージャーの最後のメッセージが全てを象徴していました。

登壇者プロフィール

藤平 直也氏

株式会社with Customer Care マネージャー

BPOコールセンターからCS領域でのキャリアを築き、メルカリ、DeNAのグループ会社、SmartHRなどの事業会社でKPIマネジメントやオペレーション改善、ベンダー統制を推進。

現在は(株)withのカスタマーケア責任者として、組織戦略立案から実行までを統括。

AIと人が共感するCSの現在地。最高の体験を届けるための「インフラ」の整え方

登壇者:

株式会社グレイ・パーカー・サービス

EC事業部ゼネラルマネジャー 小林 辰也氏

EC事業部マネージャー 宇津野 悠華氏

「ちいかわ」「mofusand」などのキャラクター商品を扱うGPSの課題は、新商品発売時にトラフィックが急激に増加することです。

CSと物流が大きな負荷を抱える状況に直面していました。特に住所変更などの複雑な対応が問い合わせの大部分を占めていたのです。

チャネルトークのALFを導入することで対応が大きく変わりました。Shopify、ロジレス連携で住所変更を自動化し、タスク機能で条件判定からAI対応まで完全に自動化。

成果として、問い合わせが大幅に増加したにもかかわらず、人間対応の負担が軽減し、多言語対応も実現できるようになりました。

GPSが重視したのは「効率化」だけではなく「公平性」です。特定顧客を優遇するのではなく、全顧客に公平な待たせない対応を実現することが重要だったと語りました。

登壇者プロフィール

小林 辰也氏

株式会社グレイ・パーカー・サービス EC事業部ゼネラルマネジャー

2023年にグレイ・パーカー・サービスへ入社。同年、「ちいかわマーケット」公式LINEアカウントを立ち上げ、友だち数500万人を達成。翌2024年にはWEB事業部次長として組織改革と物流移管プロジェクトを推進。現在は部門責任者として、全13ECサイトの運営とマーケティングを統括。

登壇者プロフィール

宇津野 悠華氏

株式会社グレイ・パーカー・サービス EC事業部マネージャー

前職リンツではCRM戦略に従事。2024年12月にグレイ・パーカー・サービスに入社。CRM担当としてCS運用体制を再構築。世界的ブランドで培った「顧客ロイヤリティ向上」の知見をキャラクタービジネスへ最適化し、持続可能な顧客関係の構築と組織改革を推進。

チャネルトークの現在と未来:Full Demo Session

登壇者:株式会社 Channel Corporation CEO Jay

チャネルトークは電話対応の課題解決に取り組み、2年前にリリースした「Meet」は50万時間以上使用されています。「Voice ALF」により、AIが電話対応を実現し、顧客の課題解決まで対応することが可能になりました。

顧客を理解するには分析が不可欠です。チャネルトークの統計機能では、ALFの対応数や解決率を表示でき、解決できていない問い合わせ内容を分析してPDCAを回すことができます。

6月末にリリース予定の新AIエージェント「CoS(コス)」は、顧客の声(VOC)と自社データ(売上、商品データ)をクロス分析し、ワンクリックでグラフ化。これまでマネージャーや分析の専門家しかできなかった分析ダッシュボードの作成が、経営者から新入社員まで誰でも簡単にできるようになります。

事前にCoSを利用したアパレルブランド「WEGO」のインタビューも紹介されました。

これまで時間がかかっていたセグメント別の売り上げ実績などの分析が、自然言語でスムーズにできるようになった様子が示され、分析の実務における劇的な業務効率化を証明しました。

本セッションのハイライトであるライブデモでは、CoSの操作画面からマーケティングキャンペーンを作成し、会場参加者へAIがアウトバウンドコールを発信。その場で「来年もCHANNELCONが開催されるなら参加したいか?」というアンケートを実施し、9割以上の「YES」を引き出し、来年開催の意思決定をしました。

「分析 → キャンペーン作成 → アウトバウンドコール → 結果分析」のサイクル全体を自然言語で繋ぐこの流れは、AI時代のマーケティング解像度を大幅に引き上げるものでした。

さらに、7月末リリース予定として、CoS上でAIがアウトバウンドコールを実行し、ライブデモで実演したアンケート集計だけではなく、マーケティング活動もしくはセールスを直接担う機能も発表。会場ではデモブースを設置し、参加者がCoSの使い方を直接体験できる環境も用意されました。

Channel Corporation パートナープログラム

登壇者:

  • 株式会社 Channel Corporation COO Wookiee

  • 株式会社博報堂コンタクト&ロジスティクス ビジネスデザイン本部 靏見 亮太氏

Wookieeが紹介するチャネルトークの取り組み

チャネルトークのAIコンサルタントチームを立ち上げ、顧客現場でAIを実践的に活用できる状態へ導く支援を開始。既に30社以上のPOCサポートで、80%を超える事例もあります。

また、チャネルトークでは人材不足とAI人材の不足という課題に直面するクライアントに対し、10社への新サービスCoSの無償サポートを提供することにしました。

ただし、チャネルトークだけの機能では、顧客の業務全般をサポートすることが難しいことを示唆。今後は、ECプラットフォーム、WMS、OMS、構築パートナー(楽天やYahooモールなど)、決済、ギフトといった様々なパートナーと連携し、顧客のニーズに応じた包括的なソリューション実現を目指していくことを提示しました。

様々なパートナーの中から今回Wookieeが紹介したのは、株式会社博報堂コンタクト&ロジスティクス社でした。

チャネルトークの「Customer Driven」と博報堂が掲げる「生活者価値」「デザインカンパニー」という2つのモットーを掛け合わせ、新しい顧客価値を提供するためタッグを組むことになったことを紹介しました。

登壇者プロフィール

Wookie

株式会社 Channel Corporation COO

日本事業とパートナーシップを統括。AIコンサルタントチーム立ち上げにより、顧客現場での AI活用を加速。30社POCで成果を実証。

生活者データドリブンの顧客接点課題の解決支援

2026年4月に新設された博報堂コンタクト&ロジスティクスは、2つのコンタクトセンターとロジスティクスの事業会社を統合して生まれた新しい会社です。

顧客接点を持つ2つの会社を1つに統合することで、「生活者の体験価値をデザインする」という博報堂グループのビジョンより実現していくためにスタートしたことを言及しました。

顧客対応やECのバックエンドの支援とVOC分析に加え、博報堂グループの生活者データとのクロス分析により、従来のVOC分析を超える高度な分析を取引先企業に提供できるようになることを紹介。博報堂は単なるBPOベンダーではなく、マーケティング支援までをミッションとしており、新規顧客獲得、ファン化促進、LTV最大化、DX推進によるコスト最適化を並行実行しています。

チャネルトークと連携し、AIで定型業務を自動化する一方、人間にしか対応できない領域は博報堂のスタッフが担当。外部システムとの連携により、人的対応の必要性を段階的に減らしながらAI価値を最大化しています。

最終的には生活者データとチャネルトークを連動させてマーケティング・CRM支援まで実現を構想しており、この共創モデルはCS領域が企業戦略の中心へ移行する時代を象徴しています。

登壇者プロフィール

靏見 亮太氏

株式会社博報堂コンタクト&ロジスティクス ビジネスデザイン本部 本部長

大学卒業後、大手アパレル企業に入社しセレクトショップへの卸営業、直営店の運営を経験。その後、某SNS、ゲーム会社に転職し、子会社に出向。レディースアパレル、雑貨、コスメのEC事業運営会社にて営業責任者、MDを経験。2016年から旧NTM社に入社し、新規事業としてEC事業をスタート。EC運営事業者様向けに売上アップ、業務改善、品質改善を中心に多数プロジェクトに従事。現在は営業チーム全体を統括。

CSは顧客体験を創るチームへ。コアラマットレスのカスタマードリブン

登壇者:Koala JP 株式会社 カスタマーサービス シニアチームリード 諸橋 佳乃子氏

オーストラリア発祥のD2Cマットレスブランド・Koalaは2ヶ月前にASX上場しました。創業者のカスタマーファースト思想が全社に根付いており、CS部門は単なる「問い合わせ処理」ではなく「顧客体験創造」を目指しています。

独自戦略は「S&D(Surprise & Delight)」です。エージェントが顧客のライフイベント(出産、引越しなど)を察知し、上長承認なしに花束やおむつケーキをプレゼントしています。オリジナルギフトボックスを企画制作しており、生まれた関係が「顧客→メーカー」の一方向ではなく「相互」になり、SNS投稿や手紙返礼が続出しています。

VOC(顧客の声)から商品開発も実現しています。「折りたたみ可能で収納できるお布団」という声を日本市場データ(人口3分の1が敷布団使用)と共にオーストラリア本社に提案しました。商品化が実現しています。

チャネルトーク導入で複数チャネルを一元管理し、対応品質統一、VOCを可視化。働き方は「判断作業からおもてなしへ」「レビュー返信」「オリジナルグッズ企画制作」へシフト。Koala JPのカスタマーサービスは問い合わせ対応を超え、ライフスタイル転換点に寄り添い、AI技術で温もりを最大化するアンバサダーへと進化したと語りました。

登壇者プロフィール

諸橋 佳乃子氏

Koala JP 株式会社 カスタマーサービス シニアチームリード

Koalaにてカスタマーサービスを担当。日々のお客様対応を起点に、業務改善やオペレーション設計、システム連携にも携わる。現場のリアルな声とデータをもとに、より良いカスタマー体験と購入後体験の向上に取り組む。

応対自動化が切り拓くスニダンCSの未来

登壇者:株式会社SODA Customer Support部 マネージャー 阿部 幸太氏

SNKRDUNK(スニダン)は、取引される商品の真贋鑑定を通じて顧客との信頼を構築する鑑定付きプラットフォームです。スニーカーやトレーディングカード市場の急速な拡大に伴い、問い合わせが急増する一方で、顧客満足度を維持する課題に直面していました。

AIで定型的な問い合わせ対応を自動化することで、対応の効率化を実現しました。しかし、SODAが本当に求めたのは単なる効率化ではなく、その先にある「人間にしか提供できない価値を生む時間」の確保でした。

AIに定型対応を任せることで、スタッフはより高度な思考と創意工夫に充てる時間が生まれ、顧客体験はさらに深くなりました。

CSがユーザーの代弁者として動き始めた現在、「CSはプラチナ職になっていく存在だ」と語りました。

真贋鑑定という専門知識が求められるサービスだからこそ、AIと人間の協働がもたらす可能性が最大化されたのです。

登壇者プロフィール

阿部 幸太氏

株式会社SODA Customer Support部 マネージャー

複数のスタートアップにて、カスタマーサポートおよびカスタマーサクセス業務を担当。カスタマーサポートでは、オペレーション運営やVoC(Voice of Customer)の活用を行い、カスタマーサクセスでは、ビジネスオペレーションの構築などを実施。2024年7月に株式会社SODAに参画。

AIの時代に、接客はどう変わるか——大手アパレルが語るカスタマードリブンの現在地

パネルディスカッション:

  • 株式会社オンワードデジタルラボ

    カスタマーサクセスDiv. ECカスタマーサポートSec. 課長 野沢 真貴子氏

  • 株式会社ユナイテッドアローズ

    EC推進部ECオペレーション課 ECグロースチーム 金井 拓也氏

長年にわたり顧客との関係を起点にビジネスを構築してきたアパレル大手2社。オンワードデジタルラボとユナイテッドアローズは、AI時代における接客とカスタマーサクセスの在り方をいかに再定義しているのか。

野沢氏は、ONWARD CROSSETのカスタマーサクセスにおいて、AIと人間の役割分担を戦略的に設計。VOC活動やCS、商品情報整備といったオペレーション全域でAIを活用しながら、顧客との感情的な結びつきを強化する人間にしかできない接点を磨き続けています。

一方、金井氏が取り組むのは、顧客の購入体験全体を俯瞰したEC向上サイクルの構築。

店舗経験を経たからこそ分かる顧客心理に、AIエージェント活用による効率化を組み合わせることで、フルフィルメントから戦略管理まで幅広い領域で新しい接客モデルを実装。

両社のリアルな対話を通じて、アパレルという顧客接点が最も濃い業界において、AIがいかに「人間にしかできない創意工夫」を呼び起こす触媒となるのか、その現在地が語られました。

登壇者プロフィール

野沢 真貴子氏

株式会社 オンワードデジタルラボ

カスタマーサクセスDiv. ECカスタマーサポートSec. 課長

2004年オンワード樫山入社。法人営業部門から異動し2011年よりEC事業に参加。23区などレディースブランドのEC販売担当を経て、ECフルフィルメント自社運営化、ECシステムリプレイスなどのプロジェクトに参画。2015年よりオンワード・クローゼットカスタマーサポートを立ち上げ。2020年にオンワードデジタルラボに出向。オンワード・クローゼットのカスタマーサクセスに関わるCS・物流・ささげ・VOC活動などのオペレーション業務の運営管理に従事。

登壇者プロフィール

金井 拓也氏

株式会社ユナイテッドアローズ

EC推進部ECオペレーション課 ECグロースチーム

店舗スタッフとして入社。その後、店長として店舗マネージメント、人事部教育担当者として研修実施、お客様相談室での顧客対応やFAQなどインフラ整備を経て、現行のEC関連業務に従事。フルフィルメントから戦略管理まで幅広い範囲を着手。直近はお客様の購入体験全体を俯瞰しつつ、EC向上サイクル構築に注力。

最も早く成長したグローバルSaaS企業はAI時代をどう準備しているのか

パネルディスカッション:

  • Notion Labs Japan合同会社 ビジネスグロース営業部 統括部長 平田 旭氏

  • Shopify Japan株式会社 パートナー事業本部 本部長 五十嵐 恒氏

「世界で最も急成長したSaaS」と呼ばれるNotionとShopify。両社は、AI時代をいかに捉え、経営戦略を構築しているのか。

ワークスペースとコマースという異なるドメインで、グローバルに急成長した両社が共通して直面するのは、AIとの向き合い方です。

Notionは「チームとエージェントが協働するオペレーティングシステム」として、プロジェクト情報から議事録、ドキュメント上のナレッジまでを関連付け、チームもAIも活用しやすい形で一箇所に集約します。それにより、社内コンテキストを持つエージェントとチームの協働を実現します。

一方、Shopifyは「テクノロジーによるコマースの民主化」という使命のもと、EC事業者やパートナーに対し、AIを活用したビジネス成長支援を提供しています。

本セッションは単なる企業紹介ではなく、両社が描く未来像を語り尽くすパネルディスカッション。ワークスペースとコマースの進化、日本市場がグローバル企業にとって特別であり続ける条件、そしてAIエージェントに託すべき業務の範囲まで、経営層が言語化しにくいストラテジーが明かされました。

登壇者プロフィール

平田 旭氏

Notion Labs Japan合同会社 ビジネスグロース営業部 統括部長

日系専門商社を経て外資スタートアップにて複数組織の立ち上げを経験。2023年にAPACを管轄するSales managerとしてNotionへ参画。2025年11月よりビジネスグロース営業部営業統括部長に就任。今までの働き方に変革を与え顧客の結果に直結する生産性向上に向き合う。

登壇者プロフィール

五十嵐 恒氏

Shopify Japan株式会社 パートナー事業本部 本部長

Shopify Japan 株式会社にて、パートナーマネージメントや事業開発に従事。国内のEC事業者やパートナーに対し、Shopifyを活用したビジネス成長支援を実施。前職の外資系IT企業やスタートアップでのセールス、新規事業立ち上げの経験を活かし、現在は最新のECトレンドや戦略立案を牽引。テクノロジーによるコマースの民主化と、日本企業のグローバル展開支援をミッションに精力的に活動。

参加者の声:CHANNELCON26がもたらした変化

イベント後のアンケートで収集したCHANNELCON26の全体満足度は97.0%。

寄せられた回答からは、参加者がCS/CXの未来について何を感じ、何を学んだかが浮かび上がります。

最も注目すべき指標は「AI活用への意欲変化」です。「AI活用への意欲が非常に高まった」と回答した参加者は71.0%、「少し高まった」は26.0%。合計で97.0%の参加者がAI時代のCS戦略に前向きな態度を示しました。

  • 全体満足度:97.0%が「大変満足・満足」

  • AI活用への意欲向上:97.0%が前向きな反応

    • 71.0%が「非常に高まった(具体的なアクション検討)」

    • 26.0%が「少し高まった(情報収集進める)」

このイベントは単なる情報共有の場ではなく、参加者の行動変容まで促す内容となっていたことが数字から読み取れます。

また、参加者からは、以下のようなご意見をいただきました。

「こんなにメモを取ったイベントは過去にありません。ワクワクしました。ぜひ弊社のAI活用をご相談させてください。」

「カスタマードリブンで事業を動かす、という明確なチャレンジを新たに意識した。AIとの共生、人のこれからがみえた。」

「VOCの歴史や、登壇者の方々のお話を聞いて、CSの仕事に対する理解や価値を確認できたのが良かったです。ありがとうございました!」

「デモを通じ、VOCを活用し顧客理解・改善につなげる革新的新機能だと感じました。登壇企業の興味深い話も聞くことができ、貴重な機会となりました。誠にありがとうございました。」

「AIでデータを見てどう判断するかは人間のまま。 この感性を磨きたい。 ハック術ではなく『カスタマードリブン』『答えは顧客にある』 やっぱりこの思想がすき。 登壇者さんの思想が、揃ってるのがすごい。」

当日会場の雰囲気

CHANNELCON26の会場は、東京・田町の最新ホール施設「TODA HALL & CONFERENCE TOKYO」。350人の参加者が一堂に集まり、AIが変えるCS、経営、働き方の未来を体験しました。

会場全体は、複数の大型バックパネルと横断幕で統一され、入口からメインステージまでの空間を彩ったのは、展示会パネル群です。

会場を彩った展示パネル群

イベントロゴ・メインビジュアルバックボードには、CHANNELCON26の最新ビジュアルを大きく配置。

ブランドロゴ横断幕には、Channel Corporationと各セッション登壇企業のロゴが横並びにデザインされ、業界全体のコラボレーションを象徴。参加者の注目を集めました。

年表デザイン横断幕は、幅15メートル近い大きさで会場を横切ります。古代から現在に至るカスタマードリブンの歴史をビジュアルで表現し、CHANNELCON26が位置する「今」の重要性を強調していました。

新サービス「CoS」のデモブース

休憩時間には、CoSのデモブースが参加者の人気を集めました。

実際にCoSの操作画面に触れ、自然言語でのダッシュボード作成、マーケティングキャンペーン設計といった一連の流れを体験できるブースです。

マネージャー層やCS担当者が列を作り、「こうした操作ができるのか」という発見と、AIを自在に使いこなせる時代への期待が会場全体に広がりました。

その他、イベントで提供されたもの

また、会場ではCHANNELCON26オリジナルペットボトルの水やチャネルトーク導入企業の猿田彦珈琲のペットボトルコーヒーが振る舞われました。

イベント終了後の交流会

イベント終了後、会場のホワイエでは約1時間の交流会が催されました。セッションで語られたビジョンを背景に、CS責任者、経営層、パートナー企業が立ち位置を変えながら対話を続けました。

名刺交換の数、そして交流の密度は、CHANNELCON26が単なる「情報発信」に留まらず、業界全体の意識転換を触発したことを物語っています。

AIが引き起こす「CS = ビジネスの中心」という再定義

CHANNELCON26全体を貫くテーマは、AI時代のCSの存在意義の転換でした。

かつてのCSは「コストセンター」扱いでした。

顧客対応にかかる費用をいかに削減するか、その観点のみが重視されてきました。しかし、CHANNELCON26で展開された各社の事例からは、全く異なる景色が見えます。

ALFが顧客の感情に寄り添い「サイレントカスタマー」の声を拾う。

CoSが顧客データと売上データをクロス分析し、ビジネス判断のスピードを劇的に上げる。Koala JPはセグメント別の顧客体験から商品開発につなぎ、SODAは定型業務の自動化で人間にしか提供できない対応に時間を使うことで「CSをプラチナ職に」と語りました。

これらは全て、CS = ビジネスの中心という再定義です。AIが定型業務を肩代わりするからこそ、CSチームは本来の価値 — 顧客理解、データ分析、経営へのインサイト提供 — に時間を使える。その結果、CSが企業全体の利益を生む部門への転換を再定義しました。

CHANNELCON26から、次へ

CHANNELCON26の意思決定場面は、ライブデモのアンケート結果で象徴されました。「来年もCHANNELCONが開催されるなら参加したいか?」という問いに、AIオペレーターが参加者から9割以上の「YES」を引き出し、その場で来年開催の意思決定をしました。

これは単なる企業イベントの成功ではなく、AIと人間による意思決定プロセスの進化を示しています。顧客の声をリアルタイムで集約し、分析し、経営判断に落とし込む。その循環が秒速で回る時代が、既に始まっているのです。

350人の参加者がCHANNELCON26で目撃したのは、遠い未来ではなく、今この瞬間のCS/CXの現在地。そしてそれは、参加企業の現場で、既に実装されつつあるリアリティです。

AI時代のカスタマーサービスは、もはや後方支援ではなく、企業成長の最前線です。CHANNELCON26の参加者たちが持ち帰ったのは、そうした確信と、その実装への強い意志でした。

ご参加いただいた皆様、このたびは貴重なご参加とご意見をいただきありがとうございました。本イベントを通じてお寄せいただいたご意見は、今後のサービス開発における大切な財産となります。

また、今年はご参加いただけなかった皆様も、CHANNELCON26へのご関心をお寄せいただきありがとうございました。

次回のCHANNELCON26では、さらに多くの皆様にご参加いただけるようキャパシティを拡大して開催予定です。今後ともよろしくお願いいたします。

有料プランの14日間無料お試し実施中!

直感的に使えるチャットツールです

無料お試し