コールセンターのKPIとは?指標一覧と設定・運用のポイント
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コールセンターの現場では、重要業績評価指標(KPI)として応答率やAHT(平均処理時間)など数多くの指標を目にする一方で、それぞれの正確な定義や計算式まで把握できているケースは多くありません。
指標の種類が多いために優先順位をつけられず、上長やクライアントへの報告時に根拠ある数値説明ができないと悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、コールセンターのKPIを「応対品質・つながりやすさ」(応答率・SL・FCR)と「生産性・効率性」(AHT・稼働率)の2軸に整理します。
各指標の定義・計算式や、目標設定の考え方をわかりやすく解説するとともに、現場での運用・改善につなげる実務ポイントや、可視化を効率化するツールの活用法も紹介します。KPI管理に課題を感じている方は、ぜひ本記事の内容をお役立てください。
コールセンターのKPIとは?基本の考え方
コールセンターの主な役割には、顧客満足度の向上があります。KPIとは、その役割をどれだけ果たせているかを数値で可視化し、目標に対する達成度を測るための指標のことです。
応答率やAHTなど個別の指標を意識するだけでなく、全体像を捉える視点が欠かせません。
この章では、KPIがなぜ重要なのか、そして指標を整理するための2つの視点について解説します。
KPIがなぜ重要なのか
KPIが重要な理由は、感覚的な運用から脱却し、客観的な数値を判断基準として改善の優先順位を決められるようになるためです。
なお、KPIと似た指標にKGI(重要目標達成指標)があります。KGIは売上高や成約件数など最終的なゴールを示すのに対し、KPIはその目標を達成するまでの過程を測る中間指標という関係です。
例えば、応答率だけを追いかけていると、顧客対応の質を犠牲にして「早くつながること」だけを優先してしまう恐れがあります。つながりやすさと対応の質、双方を同時に見る視点を持つことが、バランスの取れたKPI運用につながります。
KPIを「品質」と「効率」の2軸で捉える
コールセンターのKPIは、大きく2つの軸で整理できます。「応対品質・つながりやすさ」と「生産性・効率性」です。この2軸で捉えることで、指標同士の関係性を客観的に把握できます。
具体的には、応答率・SL(サービスレベル)・FCR(一次解決率)が応対品質・つながりやすさの指標です。一方、AHT(平均処理時間)・稼働率は生産性・効率性の指標に分類されます。次の章から、それぞれの指標を詳しく解説します。
応対品質・つながりやすさを測る3指標
応対品質・つながりやすさを測る代表的な指標は、応答率・SL(サービスレベル)・FCR(一次解決率)の3つです。いずれも、顧客がスムーズかつ的確に対応してもらえたかを数値で示します。
指標 | 定義 | 計算式 | 目指す方向性 |
|---|---|---|---|
応答率 | 総着信数に対する応答件数の割合 | 応答件数 ÷ 総着信数 × 100 | できるだけ多くの着信に応答できる状態 |
SL(サービスレベル) | 設定時間内に応答できた件数の割合 | 設定時間内の応答件数 ÷ 総着信数 × 100 | できるだけ早く応答できる状態 |
FCR(一次解決率) | 1回の対応で完全に解決できた件数の割合 | 一次解決件数 ÷ 総対応件数 × 100 | 1回の対応で解決できる状態 |
この章では、それぞれの定義・計算式・考え方を順番に解説します。
応答率とは?計算式とつながりやすさの考え方
応答率とは、総着信数に対して実際に応答できた件数の割合を示す指標のことです。
応答率の計算式
応答件数 ÷ 総着信数 × 100
例えば、着信1,000件のうち900件に応答できた場合、応答率は90%と算出されます。
応答率が高いほど、顧客は電話がつながりやすいと感じます。逆に低下すると、電話がつながらないというクレームや、機会損失につながる可能性があります。
SL(サービスレベル)とは?応答速度の指標
SL(サービスレベル)とは、目標として定めた応答時間内に、どれだけ対応できたかを割合で示す指標のことです。
SLの計算式
設定時間内の応答件数 ÷ 総着信数 × 100
例えば、設定時間を「60秒以内」とした場合、着信1,000件のうち60秒以内に応答できたのが800件であれば、SLは80%と算出されます。
応答率とは異なり「何秒以内に対応できたか」という時間の要素を含むため、つながりやすさをより正確に表します。
多くの入電にできるだけ早く対応できる状態が理想とされます。設定する時間や割合は、業種やチャネル特性によって異なるため、自社の状況に応じて基準を検討することが重要です。
FCR(一次解決率)とは?重要性と考え方
FCR(一次解決率)とは、1回の問い合わせで完全に解決できた件数の割合を示す指標のことです。
FCRの計算式
一次解決件数 ÷ 総対応件数 × 100
例えば、総対応件数500件のうち、1回の対応で解決できたのが400件であれば、FCRは80%と算出されます。
FCRが低いと、同じ問い合わせで何度も連絡する「再問い合わせ」が増え、顧客満足度の低下につながります。
1回の対応でできるだけ多くの問い合わせを解決できる状態が理想とされます。
業種や問い合わせ内容の複雑さによって、現実的な水準は変わるため、自社の傾向を踏まえて目標を設定することが望ましいです。
次の章では、生産性・効率性を測る指標としてAHTと稼働率について解説します。
生産性・効率性を測る2指標
生産性・効率性を測る代表的な指標は、AHT(平均処理時間)と稼働率の2つです。どちらもオペレーターの業務効率を数値で把握するために使われます。
指標 | 定義 | 計算式 | 着目すべきポイント |
|---|---|---|---|
AHT(平均処理時間) | 1件の対応にかかった時間の平均 | (通話時間+保留時間+後処理時間)÷ 対応件数 | 短縮と品質維持のバランス |
稼働率 | 勤務時間中に業務に関わっていた時間の割合 | 業務対応時間 ÷ 総勤務時間 × 100 | 高すぎ・低すぎのどちらも避ける |
この章では、それぞれの定義・計算式・考え方を解説します。
AHTとは?計算式と改善の考え方
AHT(平均処理時間)とは、通話から後処理までを含め、1件の問い合わせを完了するのに平均どれくらいの時間を要したかを示す指標のことです。
AHTの計算式
(通話時間+保留時間+後処理時間)÷ 対応件数
例えば、通話・保留・後処理時間の合計が500分、対応件数が50件の場合、AHTは10分になります。
AHTが短いほど、多くの問い合わせに対応できるため効率的です。ただし、短縮だけを追求すると、対応品質の低下につながる恐れがあります。
応対品質を保ったまま、後処理の効率化やナレッジ活用による解決スピードの向上を目指すことが重要です。
稼働率とは?適正な範囲の考え方
稼働率とは、勤務時間のうち、実際に応対や待機など業務に関わっていた時間の割合を示す指標のことです。
稼働率の計算式
業務対応時間 ÷ 総勤務時間 × 100
例えば、総勤務時間が480分(8時間)で、そのうち業務対応時間が360分であれば、稼働率は75%と算出されます。
稼働率が低すぎる場合は人員過剰、高すぎる場合はオペレーターの負荷過多を示唆します。極端な数値にならないよう、定期的にモニタリングすることが重要です。
これで、応対品質・つながりやすさ(応答率・SL・FCR)と、生産性・効率性(AHT・稼働率)の両軸の指標が揃いました。
次の章では、これらのKPIを実際に運用する際につまずきやすいポイントを解説します。
KPI運用でつまずきやすいポイントと具体的な対応策
KPIを設定しても、運用面でつまずくケースは少なくありません。ここでは代表的な3つの落とし穴と対応策を解説します。
この章では、指標設計・目標設定・運用の仕組みという3つの観点で解説します。
指標はいくつ必要?絞り込みのコツ
KPIの設定では、指標を増やしすぎず、経営目標に直結するものを2〜3個に絞り込むことが有効です。
応答率・SL(サービスレベル)・FCR(一次解決率)・AHT(平均処理時間)・稼働率をすべて同時に追うと、優先順位が曖昧になりがちです。まずは自社の課題に直結する1〜2指標を主指標として定め、残りの1〜2個を補助指標として位置づけましょう。
KPIを設定する際の目標値は自社の過去データを基準に
目標値を設定する際は、業界の一般的な目安だけでなく、自社の過去データを基準にすることが重要です。
業種や問い合わせ内容によって、適正な水準は異なります。他社の数値をそのまま当てはめると、実情と合わないことがあります。自社の過去データを蓄積し、月次や四半期での変化を追うことで、より実態に合った目標数値を設定できます。
現場任せにしない可視化・共有の仕組み
KPIを現場任せにせず、常に可視化・共有できる仕組みを整えることが運用の定着に欠かせません。
Excelなどの手作業による集計では、リアルタイム性が失われ、改善のスピードが落ちてしまいます。だからこそ、常に数値を確認・共有できる体制づくりが求められます。
また、KPIの達成状況をチーム全体で共有できると、目標への進捗が見えることでチームの士気を向上させる効果も期待できます。
次の章では、これらを実現するツールの活用法を紹介します。
KPI運用を効率的に進めるツール活用法
KPIを設定・運用する際は、手作業での集計から脱却し、ツールで自動的に可視化する仕組みを取り入れることが効率化の近道です。
この章では、応対品質・生産性の可視化、電話対応の一元管理、蓄積データの分析活用という3つの観点から、具体的な方法を紹介します。
応対品質と生産性を期間別に可視化する方法
応対品質と生産性を期間別に可視化するには、問い合わせ対応の状況を自動集計するダッシュボード機能を活用する方法が効果的です。
顧客理解のためのAIエージェント「チャネルトーク」の「問い合わせ別統計」を使えば、平均応答時間(顧客の各メッセージにチームメンバーが返信するまでの平均時間)や、問い合わせ開始要請から初動・終了までの時間、担当者移管率などを確認できます。
Excelでの手作業集計は不要です。フィルタリング機能を使えば、担当者やチーム、期間別の絞り込みも可能です。
電話対応のKPIを同じ環境で確認する方法
電話対応のKPIを一元管理するには、通話機能と統計機能を同じ環境でつなげる方法が有効です。
この環境を提供するのが、チャネルトークの「Meet」と「ボイスALF」です。Meetでは、チャネルトークで発行した050番号へ既存番号から転送して対応できるほか、SIP連携に対応した既存の電話機とチャネルトーク番号を連携して利用できます。
通話終了後には録音と文字起こしを確認でき、電話別統計では期間ごとの応答率やサービスレベル、通話時間などを確認できます。
ボイスALFは、オペレーターに代わってALFが電話対応を行い、顧客の待ち時間短縮と電話対応の効率化を目指す機能です。
蓄積したデータをどう分析に活かす?
蓄積した問い合わせデータを分析に活かすには、専門知識がなくても自然言語で質問するだけで可視化できる仕組みが役立ちます。
チャネルワークスの「AI CoS」は、VoC(顧客の声)や売上、注文、CRM、マーケティングなど、チャネルトークに蓄積されたデータや、連携した外部データソース・自社ファイルなどを横断的に分析し、グラフや表で可視化します。
自然言語で質問するだけで、可視化・分析・インサイトの抽出が可能で、データアナリストを介さず、ビジネスチームだけで顧客データを活用できる点が特徴です。
これらのツールを組み合わせることで、KPIの集計・可視化・分析という一連の運用を効率化できます。次の章では、記事の要点を整理してまとめます。
顧客理解のためのAIエージェント「チャネルトーク」と、社内業務での情報共有とデータ分析に役立つ「チャネルワークス」について興味がある方は、以下より概要資料をご確認ください。
まとめ
コールセンターのKPIは、大きく2つの軸で整理できます。「応対品質・つながりやすさ」(応答率・SL・FCR)と「生産性・効率性」(AHT・稼働率)です。この2軸で捉えることで、指標同士の関係性を把握しやすくなります。
それぞれの定義・計算式を理解したうえで、指標を絞り込むことが大切です。自社の過去データを基準に目標値を設定することも、KPI運用を定着させる鍵となります。また、現場任せの手作業集計から脱却し、可視化・共有できる仕組みを整えることも欠かせません。
チャネルトークの問い合わせ・電話対応機能と、チャネルワークスのAI CoSを組み合わせることで、KPIの集計・可視化・分析を支援できます。
「問い合わせ別統計」「Meet」「ボイスALF」「AI CoS」などを使えば、運用を効率化できます。
自社のKPI体系を見直し、目標達成に向けた第一歩として、まずは現状の指標を棚卸しすることから始めてみてはいかがでしょうか。