皆さんは「SDGs」というワードをご存知でしょうか?
SDGsとは、持続可能な開発目標のことで、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のことです。
特に最近ではECやアパレル業界における環境・労働に関する問題が提起されることが多く、SDGsへの取り組みを求められています。
そこで今回はそもそもSDGsとは何なのか、EC/アパレル業界がどのように取り組むべきなのかをご紹介します。
SDGsとは
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
引用:外務省
17の目標は、下記通りです。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロ
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
アパレルやECでイメージしやすく取り組むべきなのは12の「つくる責任、つかう責任」になります。
実際に以前からアパレルやECの大量生産などは問題視されていました。
改善が急務な、EC/アパレル業界の「大量生産・廃棄」問題
ECの普及により、いつでも好きなときに買い物ができることは、消費者にとっても利便性があり、企業にとっても利益が増えるメリットがあります。
一方で「買いやすい」「売りやすい」という環境になってしまったが故に、大量生産や大量消費の問題が加速していくばかりです。
そこで現在世界中で”大量生産・大量廃棄”が、問題視されています。
特にアパレル業界では、これに付随した形の環境問題や労働問題なども課題視されており、大量に作っては廃棄される現状を改善しなければ、世界全体の環境がより悪化してしまいます🌍
EC/アパレルがどのようにSDGsと向き合っていけば良いのか
17つの目標は一つひとつが孤立したものではなく、最終的にすべてが繋がっていきます。
そのため、12番の「つくる責任 つかう責任」だけに取り組めば良い!という話ではなく、自社であれば他にもどのような問題を解決できるのかを幅広い視点から考えていく必要があります。
持続可能でよりよい世界を目指す国際目標達成までに10年が切った今、リサイクル素材の利用、着なくなった衣類の回収と再利用など、環境やSDGsのことを考えた取り組みが増えています。さらに、「リサイクル」だけでなく、製品を長く使うためのリペア(修繕)が今後一層普及することが期待されます。
また衣類生産の際に従来では大量の化学物資が使用されていましたが、今では衣類生産社の健康やCO2廃棄の観点からオーガニック素材による製品開発や焼却・廃棄による環境汚染を防ぐためにリサイクルの動きも活発です。
つくる立場、提供する立場として少しでもSDGsに貢献できるような施策に取り組んでみましょう🍀
ここからは実際にSDGsに取り組んでいる企業やブランドの事例をご紹介します。
SDGs事例①パタゴニア
アウトドアウェアブランドパタゴニア社の場合、「環境的責任プログラム」と題し、世界で初めてコットン商品の全てをオーガニックコットンに代えたり、ペットボトルのリサイクルでフリースを作ったりした企業です。
パタゴニア公式サイトより
パタゴニアが目指すのは地球の健康であり、ビジネスはその手段だとする創業者イヴォン・シュイナードの考えが反映されたプロダクトや取り組みに賛同したファンが増えたことでも有名です。
自社の商品だけを好きになってもらうのではなく、実現したい世界観のミカタやファンを増やしていったことがパタゴニア社がブランド価値を高められた一つの秘訣です。
SDGs事例②ZARA
店舗で再生可能エネルギーを使用していることで有名なZARA。
ZARA公式サイトより
「当社は原材料をローカルで調達し、自社でパターンを起こし、自社工場で生産することで在庫を抑制している。そして店舗では値引きせずに販売している。いわゆるファストファッションの対極にあると言っていいだろう。さまざまなことに柔軟に対応し、製品の一つひとつに注意を払っている」
引用:「ザラ」の親会社が2025年までにサステナ素材100%宣言 「われわれはファストファッションとは対極にある」
このように、ZARAは他のファッションブランドとの違いとして、オリジナル商品を内製していることから、需要と供給に見合った製造量をコントロールを実現し、大量生産と大量消費を防ぐ取り組みを行なっています。
SDGs事例③ユニクロ
ユニクロを展開するファーストリテイリングは「よい服をつくり、よい服を売ることで、世界をよい方向へ変えていくことができる」と考えています。
ユニクロ公式サイトより
ユニクロ公式サイトによると下記のように記載されています。
地球環境に余計な負荷をかけない服。働く人たちの健康、安全、人権を守ること。さまざまな事情で服が手に入らない地域の人々に服を届けることなど、ユニクロは、服のチカラを通して社会との調和と、持続的な発展を目指し、事業を通じた社会課題の解決に取り組んでいます。
実際に行っている取り組みとしては、服を通じた難民支援としてリサイクル活動で回収した服の一部を難民キャンプに寄贈し続けています。
引用:ユニクロとSDGs
SDGsはブランド価値を高めるキーワードになりつつある
最近ではSDGs企業及びブランド価値を高めるためのキーワードの一つになりつつあります。
そのため、消費者にとってもブランドとしてのSDGsに対する関わり方は注目されるはずです。
だからといって「ブランディングのためだけにSDGsに取り組む!」という安易な思考ではいけません。
自社の成し遂げたい世界観や顧客とどのように歩み寄ってSDGsに取り組んでいくのかを慎重に考えた上で、2030年の「持続可能でよりよい世界を目指す国際目標」を達成できるようにしていきましょう。
参考資料
・外務省:SDGsとは?JAPAN SDGs Action Platform
・パタゴニア社:環境的責任プログラム
・ZARAのSDGsへの取り組み
・ユニクロとSDGs
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