ECサイトの運営者やSaaS、サブスクリプションサービスをやる人、マーケッターであれば、一度は聞いたことがあるでしょう"リテンションマーケティング"と、
昨年からコミュニティ(cmkt:カスタマーマーケティングミートアップ)ができたりと、
台頭しはじめている"カスタマーマーケティング"。
聞いたことがある人は必ず思うであろう「何が違うの?」を解消すべくまとめてみました 💁♀️
リテンションマーケティングとは?
"既存顧客へのリピート導入・購入の促進活動"
参照:https://bridge-g.com/column/retention-marketing/
リテンションマーケティングは、すでにご存知のかたも多いのではないでしょうか?
なぜなら2013年ごろから概念ができており、関連記事も多く、ITのトレンドの中では以前から知られています。
消費のあり方が、"所有(モノ)"から"体験(コト)"に変わったという話は有名ですよね?
このような背景のなかで、今までの買い切りモデルからサブスクリプションやSaaSモデルが生まれ、より継続的に利用してもらうことへのビジネスニーズが増えました。また、一般的に新規顧客の獲得は既存顧客の継続利用にかけるコストの5倍~25倍だと言われており、低コストで収益拡大が見込める点でも注力する企業が増えています。
参照:Customer Marketing: Definition, Strategies, and Best Practices
そこで注目されたのが、"リテンションマーケティング"です💁♀️
「既存顧客に対する活動」にあたり、すでに購入、もしくは利用履歴のあるお客様に対して、さまざまな施策を行いながら、自社ブランドに対する継続的な興味をもってもらうのが目的です。
代表的な施策としては、
- CRMの利用履歴を元にした自動パーソナライズリコメンド配信
- キャンペーン情報の配信
などがあります。
カスタマーマーケティングとは?…に入る前に?
一方、カスタマーマーケティングを知る前にまず知っていただきたい概念が、
"カスタマーサクセス"
2018年?19年?様々な議論はあるもののカスタマーサクセス元年が来た!もしくはまだだ!という議論が特にスタートアップをはじめとするSaaS・サブスクリプション・D2C界隈で盛り上がりを見せています。
リテンションマーケティングが生まれた消費行動の変化と同じ背景から生まれたのですが、より新しく、進化したものです。
リテンションマーケティングが"継続・追加購入"が目的にあるのに比べ、
カスタマーサクセスは"より本質的な顧客の成功を目指して、継続・追加購入させる"ところに違いがあります。
例えば、
サービス内での顧客の行動データを分析し、顧客の状態を予測、自社サービスを活用により
どうすれば顧客を成功させられるか、先手を打って提案します。
こうして成功を体験した顧客はサービスや担当者へのロイヤルティが生まれるため、継続的な利用に繋がりますし、クロスセルやアップセルも見込めます💪
引用:https://product-senses.mazrica.com/senseslab/knowledge/retention-marketing
盛り上がりを見せるカスタマーサクセスですが、
一方で早くもネクストカスタマーサクセス、"カスタマーマーケティングが到来だ!"と、有識者の間では語られているのです。
参照:https://success-lab.jp/customer-marketing/
カスタマーマーケティングとは?
おおおちょっと待て?展開が早いぞ...ついて行けん😥という方のために、そもそもの
カスタマーマーケティングとは?どんな文脈で出てきたの?
という疑問点について答えるブログ記事、
"カスタマーマーケティングとは?定義と今注目される理由"を書きましたので、
ぜひこちらもご参考にしてください🙌
一言で説明すると、
"既存顧客に対するマーケティング全て"
参照:https://success-lab.jp/customer-marketing/
であり、
カスタマーサクセスにはハイタッチやロータッチ、テックタッチなどの手段がある中で、
💡ハイタッチ:顧客と策定したKPIの達成を目指し、1対1で定期的にミーティングしてコンサルティング
💡ロータッチ:1対多での活用セミナーやメール・電話・チャットを使用
💡テックタッチ:直接は合わず、ナレッジベースや成功事例コンテンツを使用
カスタマーマーケティングは、カスタマーサクセスの中でもよりロータッチやテックタッチなど、よりスケールするマーケティング手法を使ってカスタマーサクセスさせるアプローチをとります。
(+ "カスタマーサクセスした顧客の成功事例によって新規獲得するところまで"を
カスタマーマーケティングと定義することもあります #cmkt fundamentalsにて)
あれ?
でも、"既存顧客に対するマーケティング???"
リテンションマーケティングとやはり似ていません?
リテンションマーケティングとカスタマーマーケティングの違い
確かに非常に似ています。正直、同じとも言えるかもしれません...
ただ、違いがあるとすれば、提供側の"スタンス"ではないかと思います。
リテンションマーケティングは、より"購入・継続利用してもらうため"のマーケティングである
一方、カスタマーマーケティングは、より"顧客を成功させるため"のマーケティング
ここまで議論しておいて、ただのスタンス?!?!と思われるかもしれませんが、
どちらのスタンスを取るかにより、提供側の施策や最終的な顧客側の満足度やロイヤリティ、ファンの熱量にも差が出てくるかと思います。
例えば、リテンションマーケティングの場合には、
- 新商品やセール情報をメールマガジンやSNSで継続的に発信
- 商品履歴にもとづき商品をお勧め
という施策例があります。
カスタマーマーケティングの場合には、
上記のような購入を促すコンテンツ以外にも
- 顧客を楽しませ、ファンになってもらえるイベント開催(その場の購入は促さない)
- 顧客がサービスをより活用して成功できるようオンボーディングコンテンツを配信
などの施策も含まれ、リテンションを直接促そうとするよりも、まずお客様の成功体験を目指します。そうすることで、より長いLTVが期待できたり、知人にサービス紹介をしてもらい新規顧客まで連れてきてもらえるようになるなど、最終的にはより効果を発揮することはできます🙌
また、最近ではリテンションマーケティングにおいても、より顧客と長期的な関係を築くという観点から、カスタマーマーケティングに近しい施策を打つことも増えています。
どちらにせよ、今後は顧客を本質的にサービスのファンにして行くことが重要な時代になってくるでしょう😊💪
終わりに
いかがでしたでしょうか? リテンションマーケティングとカスタマーマーケティング、詰まるところ重なるところが多いです。
ただ、提供側として顧客の継続利用を促進するうえで、リテンションマーケティングとするかカスタマーマーケティングとするかによって、最終的にお客様からみた企業に対する愛着が変わってくることを考えれば、より顧客中心主義を重視する概念"カスタマーマーケティング"を掲げるのを
チャネルトークとしては、お勧めいたします💁♀️
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