モール型ECと自社ECの違いとは?メリット・デメリットも解説。

Channel Talk

  • CS Tips集

モール型ECと自社ECの違いとは?メリット・デメリットも解説。

著者:半田恵清良(sooo_hc)

資料をダウンロードする

近年、利便性からネットショップの需要が高まり、EC業界の市場規模は拡大傾向にあります。

しかし、拡大傾向にある市場を意識して自社ECを立ち上げるべきか、気軽に始める事のできるモール型ECに出店すべきかは悩ましいもの。

それぞれにメリット・デメリットが存在するので、どちらが自社に合うのか迷うことも多く、かかるコストも大きいため気軽に試そうともいかないのが現実ですよね。

そこで、この記事では自社ECとモール型ECの違い、それぞれのメリット・デメリット、自社ECを立ち上げる上での戦略や課題についてなど、それぞれのポイントを解説します✨

目次

  1. モール型ECと自社ECの違いとは?それぞれを比較解説

  2. モール型ECのメリット・デメリットを解説!

  3. 自社ECのメリット・デメリットを解説!

  4. 結局どっちがいい?自社ECとモール型ECの選び方

モール型ECと自社ECの違いとは?それぞれを比較解説

ECサイトに出店する上では、自社ECとモール型ECの2つの選択肢があります。 それぞれの違いについて、比較しながら解説します。

複数のショップで構成した「モール型EC」とは?

モール型ECとは複数のショップが集まって一つの大きなショップを形成しているECのこと。つまり、オンライン上に大規模なショッピングモールがあるというイメージです。

代表的な店舗としてAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングが挙げられます。 具体的にどういった店舗があるかを解説していきます。

Amazon

Amazonはアメリカを始めとした19ヵ国の国で運営しており、利用者数は世界中で3億を超え、日本だけでも5,000万人を超えるユーザー数を誇るモール型ECサイト。

月間登録料や基本制約料は比較的安価ですが、8〜15%の販売手数料がかかる収益体制をとっています。

出店側としては、商品単位での出品が可能なため気軽に出店することが可能なのが大きなメリット。

また、業界トップクラスの集客力を誇ることが特徴で、月間利用者数は2021年、日本最大となっています。

楽天市場

楽天市場は国内最大級のシェアを誇るモール型ECサイトです。 日本におけるモール型ECサイトの古参でもあり、2021年Amazonにつぐ月間利用者数を誇っています。

出店料が他のECサイトより高いですが、その分手厚いサポートが特徴。ある程度実績のある店舗が出店する傾向が強くあります。

ユーザーとしても、定期的に行われるセールや楽天ポイント還元キャンペーンなどが豊富。リピーターが多いことも特徴です。

Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングは圧倒的な出店店舗数が特徴的なモール型ECサイト。 2013年から初期費用・月額システム利用料・売上ロイヤリティが無料になったことから、他の大手ECサイトに比べて出店しやすいのが特徴です。

コストを抑えたい企業が出店するケースが多い、ECサイトとなっています。

「自社EC」とは?その構築方法も合わせてご紹介!

自社ECとは、独自でドメインを取得し、企業が運営するECサイトのことを指します。 構築方法ごとにさまざまな特徴があり、カスタマイズ性能が高いことがポイントです。

構築方法は代表的なもので5種類あり、それぞれ企業に合った方法を選択することで運用のしやすさや売上にも差がつきます。

ゼロから自由に構築できる「フルスクラッチ」

既存のシステムを使わず、ゼロから構築する方法です。

必要な設備は全て自社で調達しなければならないためコストも時間もかかりますが、デザインやシステムなどを自由に構築することは大きなメリット。

また、拡張性が高いこともポイントです。社内でシステムやプログラムを管理できる人材が揃っているからこそ、顧客からの要望にすぐに対応することもできます。

具体的な店舗としては、ZOZOTOWNやユニクロが挙げられます。

最もスタンダードな構築方法「ECパッケージ」

サイトを作っていく上で必要な機能が一つのパッケージとして提供されているソフトを購入し、構築する方法のこと。

ECパッケージは、フルスクラッチよりもコストと時間を抑えることが可能なことが大きなメリットです。素早く作成することができることもあり、ECパッケージを導入する企業は多く存在します。

また、カスタマイズを加えることもできるため、ECパッケージだから拡張ができないということもありません。

しかし、運用面でのサポートをきちんと受け続ける必要があることや必要な機能が揃っているかを確認する手間があります。

ECパッケージを提供している企業は、ecbeingやEC-Orangeが挙げられます。

ライセンス費用がいらない「オープンソース」

オープンソースとは、無料で公開されているプログラムを利用して構築する方法です。 セキュリティ対策やECサイトを構築するスキルがあれば、かなり費用を抑えることができます。

カスタマイズについても比較的幅の広い拡張が可能です。

一方で、カスタマイズをするために自社にweb制作のスキルが必要だったり、公開されているプログラムを利用するためセキュリティ面が弱くなってしまったりすることがデメリット。

具体的なオープンソースとして、ec-cubeやMagentoが挙げられます。

素早く安価に導入できる「ASP」

ASPは、ITに関する知識がなくても手軽にECサイトを構築できる方法です。 システムのバージョンアップなどもプロパイダー側が行うので、常に最新の状態でECサイトを運営することができます。

従来型のASPはカスタマイズ性能が低いことがデメリットでしたが、近年のASPはカスタマイズ性が高くなっており、それぞれに必要な機能を追加して自由にカスタマイズしたり、豊富なテンプレートを使って簡単にデザインしたりと自由度が上がっています。

モール型ECのメリット・デメリットを解説!

ここからは、モール型ECのメリット・デメリットを解説します。 モール型ECに出店するときの参考にしてください。

モール型ECのメリット

モール型ECのメリットは大きく3つあります。 1.集客力がある 2.信頼度が高い 3.初心者でも簡単に始めることができる それぞれチェックしていきましょう。

1.集客力がある

モール型ECはすでに知名度が高いため、集客が比較的簡単です。 自社でECサイトを構築するとなれば、SNSでの集客やweb広告などそもそもの顧客を集めるコストがかかります。 しかし、モール型ECを利用すれば、すでにそのモール型ECに集まっている顧客をターゲットとして商品を販売することができるため、集客への負担は少なくなります。 また、それぞれのモール型ECサイトではユーザーの見ている商品に対して関連商品といった形で別の商品が出てくることもポイント。 直接検索されなくても、関連する他社の製品から自社の製品へと顧客を集めることができるのも大きなメリットです。

2.信頼度が高い

モール型ECサイトは信頼度が高く、自社ECサイトに比べて顧客が安心してネットショッピングを楽しむことができます。

近年、オンライン上での取引に関するトラブルが報道されるケースも増加しており、顧客の安全性に対する意識も高まってきています。

たとえば、Amazonや楽天市場といったモール型ECに出品されている商品と名の知れていない自社ECサイトで販売されている商品とを比べるとその信頼度は一目瞭然。モール型ECの方が信用度が高くなります。

3.初心者でも簡単に始めることができる

モール型ECサイトの大きなメリットは、運営者の知識が少なくても簡単に運営ができることにあります。 自社ECサイトであれば、新しいプラットフォームを作ることになるため、デザインの知識やECサイトを構築するための知識が必要。 一方で、モール型ECサイトであれば、既存のプラットフォームを活用することもあり、知識が少なくとも始めることができます。 また、困ったときにはモール型ECサイトのサポートを頼ることもできるため、安心して始められます。

モール型ECのデメリット

モール型ECのデメリットは大きく4つあります。 1.出店料や手数料がかかる 2.商品の価格競争が起きやすい 3.ショップのブランディングが困難 4.顧客情報にアクセスすることが困難 それぞれチェックしていきましょう。

1.出店料や手数料がかかる

モール型ECサイトは、本来のコスト以上に出店料や手数料などさまざまな費用が生じ、サイトの規模が大きくなればなるほど費用が嵩みます。 利益とコストをきちんと考えた上で出店しなければ、赤字になってしまうことも。 十分に考えた上で出店することや、期待できる利益率に見合った規模のモール型ECに出店することが大切になります。

2.商品の価格競争が起きやすい

モール型ECサイトでは類似した商品が多く販売されていることが多く、基本的には値下げ競争となることが多いです。 競合が多い商品ほど価格競争は激しくなり、当然ですが価格を下げると利益率は低下。 出店料、手数料などの費用が余計にかかることも含めて大きなデメリットとなっています。

3.ショップのブランディングが困難

モール型ECでは、ブランディングは困難になります。 たとえば、Amazonで買い物をした顧客に対してどこで商品を買ったかを聞けば、基本的にはAmazonで買ったという答えが返ってくることでしょう。 モール型ECに出店している場合、そのショップの商品としてではなく、モール型ECの中の一つの商品として見られることがほとんどです。 そのため、ショップの認知度をあげるために販売ページに工夫をするといった見せ方の工夫が必要になってきます。

4.顧客情報にアクセスすることが困難

モール型ECでは基本的に顧客情報は各ショップがアクセスすることができません。 そのため、顧客情報をもとにリピーターを増やすための施策を行なったり、適切な商品を紹介したりといったマーケティングをすることは困難です。 顧客と密にコミュニケーションをとり、ブランドとしての立ち位置を獲得したいと考えているときにはあまり向きません。

自社ECのメリット・デメリットを解説!

ここからは自社ECのメリット・デメリットを解説します。 自社ECを構築するときの参考にしてください。

自社ECのメリット

まずは、自社ECサイトを運営することによって得られるメリットをご紹介します。 メリットは大きく3つ。

1.利益率が高い 2.企業や製品のブランディングがしやすい 3.リピート率を向上させやすい 以上3つをチェックしていきましょう。

1.利益率が高い

モール型ECに出店すると月間登録料や販売手数料などが発生しますが、自社ECであれば手数料はなく、利益をそのまま得ることができます。

しかし、モール型ECには同業他社が出店している場合も多く、類似商品の値下げ競争が起こりやすいというデメリットも。その点、自社ECであれば競合はおらず値下げ競争に巻き込まれることはありません。

手数料がかからず、競合との値下げ競争に巻き込まれることもないため、自社ECは総合的に利益率が高くなる傾向にあります。

2.企業や製品のブランディングがしやすい

自社ECではサイトデザインから自由に構築することが可能であり、オリジナルなデザインをサイト全体で一貫させることができます。 そのため、顧客に対してブランドとしての一貫したアピールをすることができ、企業や製品のブランディングを図れます。 デザインが統一されていることが多いモール型ECでは、企業の個性を出しにくいのが実情。 ブランドとしてのイメージを固めたいときや、ブランドとしての価値を高めていきたいときには自社ECの方がおすすめです。

3.リピート率を向上させやすい

自社ECであれば、顧客情報を自社で管理できるため、マーケティング施策を打ちやすくなり、リピート率を向上させやすくなります。

モール型ECでは顧客情報をモール側が管理しているため、顧客の詳細な情報を入手することは困難になっています。そのため、マーケティング施策を積極的に行っていくことを考えれば自社ECの方がおすすめです。 たとえば、会員ポイントの付与や過去の購入履歴をもとに販促活動を行い、購入率を上げることができます。

自社ECのデメリット

さまざまなメリットが見込める自社ECですが、デメリットもあります。 デメリットは3つ。 1.集客が難しい 2.すぐに成果が出ない 3.運営担当のスキルの高さが求められる 3つのデメリットをチェックしていきましょう。

1.集客が難しい

モール型ECとは異なり、自社ECではとくに、最初の集客にかかる労力と時間が大きいものとなります。 モール型ECであれば、モール型ECの認知度や集客力にあやかることで、出店初期の集客は容易になるもの。 しかし、自社ECはよほど知名度の高い企業や店舗でない限り、認知されるまでに時間がかかります。 SEO対策や有料広告の活用をする、SNSを積極的に更新するなど、認知度を高めていく施策を行っていく必要があります。

2.すぐに成果が出ない

自社ECは、集客が難しいこともあり、自社ECでの出店は成果が出るまでにどうしても時間がかかります。 モール型ECサイトであれば、すでに存在する顧客に対するアプローチをかけていくことで成果を出すことが可能です。 しかし、自社ECではまず顧客を集めるところからスタートとなります。最初の集客が上手くいったとしても顧客をリピーターにしたり、顧客からの要望にこたえて機能を追加したりとしばらくは地道な作業が必要です。 そのため、ECサイトとして安定的に利益を出していくまでの期間は、長期的に考えていく必要があります。 同業他社との差別化やサイトの分析など、問題点を改善していきながら徐々に成果をあげていくこととなります。

3.運営担当者のスキルの高さが求められる

モール型ECサイトに比べ自社ECサイトは自由度が高いことが特徴。 そのため、自社ECサイトはデザインからサイト設計まで運営担当者のスキルによって集客力やリピーターの定着率が大きく変わってきます。 担当者のセンスや能力が結果にも繋がってくるので、ECサイトを運営するにあたって能力の高い人材の採用・育成は必要不可欠です。 顧客が求めているものをきちんと理解し、その上でそれをデザインやサイト設計に落とし込むことのできる、スキルの高い運営者が必須となります。

結局どっちがいい?自社ECとモール型ECの選び方

自社ECサイトとモール型ECサイトについて紹介してきました。 実際、自社ECサイトとモール型ECサイトのどちらがよいのでしょうか。 選び方の基準となる2つの観点を整理しました。 ・販売する商材で決める ・ビジネス展開で決める それぞれチェックしていきましょう。

販売する商材で決める

販売する商材が消耗品であったり、類似品が多かったりする場合はモール型ECがおすすめです。 モール型ECを利用する人の多くは、たくさんの商品のなかから好みや価格帯などそれぞれ比較し、気に入ったものを購入したいと考えています。 消耗品であったり、類似のものが多い商材を扱う場合、モール型ECに出店すると商品の露出を増やすことができ、成果に繋げやすくなります。

一方で、類似品が少ない商品であったり、自社オリジナルのブランディングが大切な商品であったりを扱う場合は、自社ECサイトがおすすめです。 ブランディングをきっちりと行うことによって、顧客の信頼を勝ち取り、ファンを増やしていくことが大切になります。一貫したデザインやブランディングが行える自社ECサイトを選びましょう。

販売する商材の性質によってどちらにするかを決定することが大切です。

ビジネス展開で決める

どのようにビジネス展開をするかによってモール型ECサイトに出店するか、自社ECを構築するかを決定しましょう。 たとえば、ブランディングを大切にし、少数のファンを大切にしていきたいと考えるのであれば、自社ECの構築を行うことがおすすめです。 一方で、競合に比べて安価な価格であったり、高品質であったりと競合に対する優位性で顧客を集めていきたいと考えるのであれば、モール型ECに出店することで大きな収益をあげるのがおすすめです。 自社の現状と自社のなりたい像から、ビジネス展開を考え、それにあった方法を取りましょう。

自社ECとモール型ECを同時に運営するのもあり

コストはかかりますが、自社ECを構築しつつ、モール型ECに出店することも1つの手段です。 たとえば、消耗品や他社との類似品をモール型ECで出品しつつ、ブランドの名前を広めることで認知度が高まり、結果的に自社ECへの来客数を増やすなどといった形を取ることもできます。 また、自社ECで得た顧客情報をもとにマーケティング施策を打つことで、モール型ECでもリピーターや優良な顧客を増やすことに繋がります。 それぞれのメリットを組み合わせることで、お互いのデメリットを補い合うことが可能です。

さらに、自社ECとモール型ECの両方を運営することで、どちらかのECサイトに不具合が生じた場合のリスクヘッジにも。 コストこそかかるものの、同時に行うことで大きなチャンスをつかむことに繋がります。

まとめ

自社ECとモール型EC、どちらにもメリットやデメリットはあります。

モール型ECは、知名度が高いので集客力があり、顧客からの信頼は厚いですが、価格競争に発展するケースが多く、利益率が低くなったり、モールの印象が強いため、リピーターになりにくかったりします。

対して自社ECは、認知されるまでの期間は集客が難しく、すぐに結果を出すことが困難ではありますが、利益率が高くリピーターやファンを作りやすいです。

扱う商材や今後のビジネス展開など、さまざまな要因から自社によりあっている方法を選び、活用していきましょう。

ECのマーケティングに関する資料(PDF)も公開中です! ぜひ参考にしてみてください!

→ ECマーケティングを成功させるノウハウ集をダウンロードする📚

有料プランの14日間無料お試し実施中!

直感的に使えるチャットツールです

業務用メールアドレスを入力