UNITED ARROWSにおける購入率25%を記録した「サポートが必要なお客さまに対して購入の後押しをする」ことを意識

Marry • CX Team Leader / Biz-dev

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サマリー

「お客様と深く広く繋がる」ことを意識した接客を行いながら生活のスタンダードを創造し続ける『UNITED ARROWS』は、ECなどのオンラインでも、実店舗のような顧客体験を実現したいと考えチャネルトークの導入を決定。その結果、オンライン接客を受けた顧客の3日以内のCVRが約25%を記録。

「UNITED ARROWS」や「BEAUTY&YOUTH」、「green label relaxing」など、国内外に221店舗(2024年3月時点)を展開する『ユナイテッドアローズ』。「真心と美意識をこめてお客様の明日を創り、生活文化のスタンダードを創造し続ける。」を経営理念とし、お客さま目線のサービスを日々、追求した結果、売上高は1300億円を超え、国内でも指折りのアパレル会社として地位を築きました。 今回は、お客さま目線の接客を行うユナイテッドアローズが接客のクオリティアップを図るためにチャネルトークを導入した結果、どのような相乗効果を生んだのかについて、EC開発部の金井さん・お客様相談室の平方さんに伺いました。

オンラインでの接客と店舗での接客に生まれるギャップに悩んでいた

ーーUNITED ARROWSでは、オンライン接客に際してどのような課題を抱えていましたか?

金井さん:UNITED ARROWSでは、店頭においてお客さまに寄り添った丁寧な接客を評価いただいていると思っておりますが、オンラインストア(ECサイト)ではその強みを存分に活かせていないと感じていました 店舗で行う接客はコーディネート提案から在庫の確認、その後のレジ会計までのフルサービスですが、オンラインストアでは商品検索から手に取った商品が自分に似合うかどうかの比較検討、支払い手続まで、お客さまご自身が行うセルフサービスと捉えています。 その気軽さがECサイトの特徴でもありますが、基本セルフサービスのオンラインストアにおいて、購入意欲はあるもののサイズ感や肌触りなど画面では伝わりづらい部分を気にされる場合、そのあたりの不安解消をサポートしてもらいたい需要は一定数あると思っています。 そういったお客さまに対して、的確なサービス提供ができておらず、どうしてもお客さまに能動的な顧客体験を強いてしまっていることは課題と考えていました。 課題解決のために、サポートが必要なお客さまに対して購入の後押しを行うオンライン接客というサービスを提供したいと思い、これまでLINE接客やビデオ接客を活用してきたものの、お客さまが途中離脱してしまうことも多く、オンライン接客と店舗接客のギャップに悩み、もどかしさを感じていました。

シナリオボットの自由度の高さやUXの使いやすさが顧客体験の向上に貢献

ーーEC上での能動的な顧客行動を解決する手段としてチャネルトークを導入したのには、どのような理由があったのでしょうか?

金井さん:ECサイト上でのオンライン接客では、お客さまの要望やご不明点についてお伺いすることに加え、プラスアルファのご提案、購入を迷っているお客さまへ適切な後押しをお待たせすることなくよりスムーズに行う必要があると考えていました。 また必ずしも、有人対応を行うのではなく、些細なことは自動で回答できるチャットボットを充実させることで、多様なお客さまのニーズに合わせて、敷居をあげず気軽に使っていただけるものを設置したいと思っていました。 イメージとしては店舗に販売スタッフがいてお客さまは何かあれば声かけて質問できるように、オンラインストアというECサイト上の店舗においても、購入検討する際に気になったことを気軽に確認できる環境を目指していました。そこに重点を置いてさまざまなツールを使った結果、ほかのチャットツールよりもチャットボットのシナリオ作成の自由度が高い点や、お客さまが一度サイトを離脱してしまっても、戻ってきていただければ会話の途中から接客を再開できる点、また、UI/UXが優秀で使い勝手がいい点などの理由で、チャネルトークを導入いたしました。

ーー実際に、チャネルトークをどのように運用していますか?

金井さん:現在は特定の商品ページにチャネルトークを設置し、チャット開始のボタンを押していただくことで質問を受けられるように設定しております。 店舗在庫や寸法データの確認方法など、商品に対するシンプルな質問はチャットボットが対応し、体型に合わせたサイズ感やコーディネートなど詳細な質問を有人チャットで担当のコミュニケーターが対応することで、1人あたりにかけられる時間が長くなり、接客の質が向上しました。 また、問い合わせ内容はタグをつけて分類し、日頃からお客さまがどんなことにお悩みを感じられているのか、オンラインストアの中で何か改善していくことはないか、今後に向けて分析することに役立てています。

平方さん:実際にお問い合わせいただく内容は、定型的な内容で答えられるものではありません。 例えば、「骨格がナチュラルな自分にこのワンピースは似合いますか?」「パーソナルカラーがイエベなのですが、このキャップは合うと思いますか?」など、商品を気になったお客さまがそれぞれ感じるパーソナルな質問が多いです。 チャネルトークでは画像をつけて提案を行えるなど操作性が高く使いやすいため、お客さまが抱える様々なお悩みに対して的確な返答を行うことができ、実際に店舗へ足を運ばれた際の接客と近いレベルでのご案内が実現できる手ごたえを掴んでいます。

チャネルトークを活用したオンライン接客でCVRが約25%を記録

ーー商品ページにチャネルトークを導入してから、どのような変化がありましたか?

金井さん:お客さまに商品ページのチャットを利用いただいてから3日以内のEC・店舗のCVRが約25%を記録しました。 4人に1人の割合で購入につながるようになったのは、「サポートが必要なお客様に対して購入の後押しを行う」という狙いに対して、チャット接客が有効的な手段になっていると感じています。 また、お客さまがどういったことにお悩みなのか、やり取りを通じてしっかり把握することができるため、必要なことは担当部署に即時にフィードバックを行い、商品掲載ページをより分かりやすくブラッシュアップすることが少しずつできてきました。 こういったことを積み上げていくことで、そもそもお悩みを感じることなくスムーズに買い物できるECサイトになっていくと思いますので、相談内容=いただいたご意見と捉え、未来につなげていくことにも重きを置いていきたいです。

平方さん:お客さまとのやり取りを通じて、最後に「親身に相談にのってもらえて助かった」「丁寧で親切な対応だった」というお言葉をいただくことも増えてきており、お客さまに対して充分なサポートができるようになってきたと実感しています。 リピートで使っていただいているお客さまもいらっしゃり、ECサイトの買い物において購入検討する手段として少しずつ浸透してきているようにも思います。 質問内容は実際に店舗で受けるものと同じようなものが多いため、質問をすることができる場所があるということはお客さまにとって、購入の際の安心材料ではないかと改めて感じています。

ーーCVRをより大きくするためにさらなるチャネルトークの活用が必要だと思いますが、今後、チャット接客をどのように改善していきたいですか?

金井さん:お客さまは商品に対して魅力を感じているものの、何かしら疑問点を持っているためにチャット接客のボタンを押していると思います。 そのお客さまの購買意欲が高いうちに的確な返答を行う、スピード感を持ったサービス提供が鍵だと考えています。 現在、返信時間(お客さまがメッセージを送ってからスタッフが返信するまでの時間)に力を入れており、親身で丁寧である『質』の部分は落とさず、今よりも返信時間を縮めて顧客体験の向上を目指しています。 また、チャネルトークでは自由度の高いチャットボットを組めるので、今後はよりチャットボットと人的リソースを上手く組み合わせて、夜間や早朝なども含めて、お客さまが「購入したい!」と思ったときに素早く必要な情報提供ができるようにしていきたいです。

平方さん:サポートが必要なお客さまに対して、迅速回答に加え、より説得力がある提案ができるよう定期的に店舗に足を運び、商品を手に取って現物確認を行っています。 パーソナルカラーや骨格診断など、お客さまが気にされそうな知識を勉強し、チャット接客を使っていただいたお客さまの満足度をもっと上げていきたいと思っています。 店舗で接客を受けたときと同じような満足度を感じていただくことで、店舗からECサイト、ECサイトから店舗、それぞれのギャップがなく、ユナイテッドアローズ全体をご利用いただくお客さまが増えていくきっかけにしたいです。

ーー同様に、オンライン接客の質を向上させようと思っている方々にアドバイスをお願いいたします

平方さん:オンライン接客の位置づけや目的は会社によって異なりますが、お客さまとダイレクトにつながる「人と人とのコミュニケーション」であることは変わりないため、お客さまの目線を想像することが大切だと思っています。 対面ではないのでなかなか難しいですが、どんなニーズがあるのか、何を求められているのかなどを具体的にイメージができれば、おのずとどんなオンライン接客が必要なのかが考えやすいのではないかと思います。

金井さん:ECサイトで購入を検討する際、商品情報やレビューを参考にして決断していくことになると思いますが、それだけでは不安が解消されない隙間をオンライン接客で埋めることができると感じています。 オンライン接客を使うかどうかはお客さまが判断していくことですが、ニーズが多様化している中で「有人に相談できる」という選択肢があることが重要だと思います。

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