Marry • CX Team Leader / Biz-dev
10月 17日
北海道を拠点に全国で愛されるスイーツブランド「小樽洋菓子舗ルタオ(LeTAO)」を展開するケイシイシイ。パティシエがこだわり抜いて創るスイーツは、多くのお客さまを魅了し、リピーター・ファンからの支持を集めています。 実店舗だけでなくECも好調なルタオでは、EC経由の流通額が順調に拡大しています。 今回は顧客と共に成長してきたルタオが、現在ECでどのようにファン作りに取り組んでいるのか、CS課ソリューションチーム 江藤さん・大野さん、通販企画1課 自社チャネルチーム 米沢さんにお伺いしました。
大野さん:始めは小樽市内の観光客で賑わう境町通りに本店構えたところからスタートし「地元の方に愛される」お菓子を目指しお店づくりを行っておりました。そしてあるテレビ番組をきっかけに、全国にルタオの名前が知られるようになります。取材対象となったドゥーブルフロマージュは思いのほか好評で、多くのお問い合わせをいただくようになりました。
1ヶ月ごとに新しい商品を開発していたため、メディアやお客さまの間で話題になり、少しずつ新規顧客とリピーターが増加していき、売上も伸びていきました。その結果、今のルタオがあります。
ルタオは「今日一人、熱狂的なファンを創る」という考え方を大切にしています。 お客さまに最大限寄り添った接客をするための心がけです。食品を扱っているからこそ、安心してご利用いただけたり、ギフトシーンの利用も多いことから、お客さま一人一人に合った適切な提案が重要になります。 お客さまとの何気ない会話であっても、ブランドのことを信頼していただいたり喜んでいただけるように常にお客さま目線で考えていくことは重要です。 また、お客さまからいただいた嬉しい言葉や改善点などのフィードバックは、すぐに社内全体に共有し、これからの改善ポイントとして反映したり、商品開発に活かしています。実際にこれまでもお客さまの要望の声を社内に展開したことで、新商品開発の段階で復刻品の販売を提案し、店頭販売にて実現したことがあります。
米沢さん:実店舗でお客さまの声を元に成長してきた背景があることから、お客さま目線やお客さまのニーズに答え続けられるECサイトを意識しています。 ECは実店舗と比べて、商品を直接目でみることができないことから、実店舗で商品を選んでいるかのようにリアルに伝わるように写真やサイトの構成にもこだわっています。さらに、必要な情報とそうでない情報を選別し、できるだけスッキリしたUIやサイト構成になるよう、日々考えています。
江藤さん:店舗へ来店される方は、新規のお客さまが多いので定番商品が人気ですが、 ECサイトでは、リピーターが多く実店舗には展開していないオンライン限定の商品が多く選ばれます。 そのため、リピート回数の多いロイヤルカスタマーのお客さまが年々増えており、このロイヤルカスタマーへの対応が重要になります。そこで、さらなるファン化を加速させるべく、コミュニケーションができるチャネルトークを導入しました。
大野さん:メール、LINEなどいくつかの問い合わせチャネルを持っていたのですが、基本的にこれらのチャネルは、購入後の問い合わせがメインとなっていました。
私たちがECサイト運営で、力を入れたかったポイントは購入前のお客さまに向けたリアルタイムの接客です。ECサイトの購入にハードルの高さを感じているお客さまへ、寄り添う接客がしたいと考えていました。
ロイヤルカスタマーのお客さまへの対応で大事なこととしては、顧客を理解して対応することです。そのためルタオのECサイトビルダーであるebisumartとの連携ができることも重要な要素でした。顧客情報を連携することで、様々な情報を元に、接客することができます。
大野さん:今までECサイトの問い合わせはメールで行っており、購入前の問い合わせが10%ほどでした。そこからチャネルトークを導入したことで、全体の問い合わせ中50%が購買前の問い合わせになり、圧倒的に増えました。気軽にお問い合わせすることの出来る窓口ができたと共に、チャットの特性から、「迅速に返信してもらえたので、大規模購入のための事務手続きもスムーズにできました」といった声が印象的です。 さらに、メルマガをあまり読まれない方に対しても、ECサイト上で、ポップアップを通じて情報を届けることができ、タッチポイントの増加や実際の購入にもつながっています。
実際に、ロイヤルカスタマー向けに行ったキャンペーンをCRMマーケティング機能を用いてポップアップで配信した際には、2日間で、閲覧が54.4%、クリック率48.6%、CVRが47.2%という高い実績数値をだすことができました。ロイヤルカスタマーのお客さまへの配信は今でも行っていましたが、チャネルトークの優秀なUIのおかげもあってか、単なる閲覧に限らず購入にも繋がり、今後も力を入れていきたい施策となりました。
さらにキャンペーンのチャットを通して、ロイヤルカスタマーからの問い合わせが多いことに気が付きました。
そこからebisumartの連携を用いてロイヤルカスタマーだけのチャットをスタートさせています。ロイヤルカスタマーの方々が、今何に困っているのかといったインサイトをECサイトやサービスの改善につなげるという良い循環ができつつあります。
大野さん:チャット接客のCVRは約30%、ロイヤルカスタマーの場合は約50%です。
さらに、チャットなしの場合と比べてチャット接客を介した客単価は1.5倍になります。目先の売上を優先して押し売りをするのではなく、どのようなシーンでご利用されるのかをヒアリングしたり、お客さまのお悩みをしっかり解消し商品提案を行っています。 そうすると、「説明を聞けて安心して購入できます」、「プレゼントで贈ったら喜ばれたのでまた利用したい」といった反応が得られ、さらにチャットやECをご利用いただいている実感があります。
またCVRを上げるために、返信スピードも心がけ、現在は初動対応時間3分以内を目指しています。実際に初動対応時間が早いほどお客さまからの返信も早まり、解決時間が短縮するだけでなく、売り上げにも貢献している実感があります。
江藤さん:チャットのお問い合わせ自体は大きく変えていませんが、チャットボットではロイヤルカスタマーの方には、お客さまの名前で呼びかけるように設定しています。ちょっと特別感を感じられるような内容を心がけました。これは電話対応で、ロイヤルカスタマーへ特別なお声がけを心がけていることから、チャットにも転用しています。
さらに今までメールだとやり取りが多くなってしまっていたのですが、チャネルトークでは、過去の問い合わせやどのページを見て問い合わせしているのかといったイベント情報も見れることから、どのようなお客さまなのかを理解した上で対応できるようになり以前よりスピーディーかつ接客の質も向上させることができました。
実際にチャット接客に携わるメンバーは4名いますが、1日あたりのリソースはおおむね1人です。今まで行っていたメールや電話の品質を落とすことなく、チャットも対応できており、CSがパンクするということはありません。むしろ、よくある問い合わせは自動で解決し、本当に人が対応すべき問い合わせに集中することができるので、小規模のチームでも気軽に始めることができます。
江藤さん:またチャネルトークの場合、統計機能もあり、初動対応時間をはじめ、どのような問い合わせが多かったのかを定量的に確認することができます。
メール・電話だけの運用を行なっていたときは、問い合わせ件数の管理や内容の傾向が出しづらかったのですが、チャネルトークの場合は、簡単にタグを付与することができるので、問い合わせを管理しやすくなりました。どのような問い合わせが多いのかといった定量的なデータからサポートbotやカスタマーサポートの改善を行える仕組みづくりができ、CSとしてのレベルアップを実感しています。
データを可視化できるようになったことから、今後はチャットに限らず電話やメールの問い合わせも定量で管理していく方向性にもなり、チャネルトークをきっかけにより数字を意識できるようにもなりました。
大野さん:今後は実店舗のように、お客さまに能動的に声がけを行うと共に、チャット内でさらに満足度を高められるような接客を行っていきたいと考えてます。例えば、ギフトでご利用される場合にどのような相手・シーンでのギフトなのかなどもチャットbotで自動的にヒアリングしながら、よりパーソナルな接客を実現していきたいです。