ユーザーの声を集めるLittle Rooms。購入前の問い合わせを4倍にし、直近売上も2倍に。

Marry • CX Team Leader / Biz-dev

10月 17日

  • 活用事例

“小さな幸せ、愛おしい暮らし”をコンセプトとしたブランド「Little Rooms」のECサイトでは、「韓国インテリア」と呼ばれるテイストを中心に、自分の暮らしが好きになれるようなインテリアの販売を行っています。Little Roomsでは、チャネルトーク導入により、一般的にECサイトの課題とされる“接客感”を出し、ユーザーの声をうまく集めてブランド運営に反映しています。Little Roomsを運営する株式会社andの佐藤真緒さんに伺いました。

Little Roomsは、その思いに共感する人々が集うサイト

-はじめに、Little Roomsのブランド概要とコンセプトを教えてください。

Little Rooms は、「小さな幸せ、愛おしい暮らし」をコンセプトに、2019年6月にスタートしたブランドです。もともとはInstagramで運営していた、「make my room」というお部屋づくりに関するメディアからスタートしました。

Little Roomsのサイトでは、1Rや1Kなどの小さなお部屋でも、自分の好きなものに囲まれて心が満たされる暮らしをテーマに、記事配信や商品紹介を行っています。一人暮らしの方はもちろん、ファミリー層でも、お子さんを寝かしつけてから親御さんが一息つく時間、実家に住んでいても自分だけの空間でゆっくり過ごす時間など、自分と向き合う時間を大切にすることを提案しています。

-そういったコンセプトは、どのようにして生まれたのでしょうか?

コンセプトのもととなったのが、2018年頃に韓国でトレンドとなった、「小確幸」という言葉です。この言葉は、「小さいけれども確かな幸せ」を意味するもので、村上春樹さんの小説で使われた造語です。日本と韓国は社会背景が似ている部分もあり、「小さな幸せ」を追い求める流れは日本にもやってくるだろうと考えました。

また、共同創業者である代表の平と私の、創業前に抱いていた個人的な課題感も背景にあります。私たちは二人とも地方から東京に出てきて一人暮らしをしており、仕事で多忙な日々を過ごすなかで、自分の部屋が癒されない、ただ寝るために帰るだけの場所になっていると感じていました。自分の部屋が好きな場所、癒される場所になるだけで、自分の暮らしの満足度が高まり、自分の暮らしを好きになれるのではないかと、考えていました。

-Little Roomsのお客さまには、どのような方が多いのでしょうか?

Instagramのフォロワーは20〜30代の女性が多いのですが、実際に商品をご購入くださるのは、幅広い層のお客様です。年齢や性別というよりも、自分の小さな幸せを追い求めたいという、思想に共感してくださる方が多いのだと思います。

-現在、何名程度の体制でブランドを運営されていますか?

代表と私の他に社員が2名、業務委託の方が7~8名、あとはインターン生で、全体では20人弱が関わっていますが、コアメンバーは5名未満です。CS担当は1名で、業務委託の方に依頼しています。イレギュラーな対応が必要な場合などは、私が対応する形です。

ー事業としても成長されていると思います。

ありがたいことに直近4〜5ヶ月間で売上は倍以上に伸びています。お客様からのお問い合わせ数も比例して約2倍に増えており、接客の重要性を感じています。

Instagram連携が導入のきっかけ。導入後、購入前の問い合わせが4倍に。

-チャネルトークの話を初めて聞いたとき、最初にどのような印象を抱かれましたか?

当時のCSはメール対応を中心として別ツールを利用中で、そもそもCSツールの切り替えを考えていませんでした。最初は知り合いから紹介されたので、一度話を聞いてみようという感じでしたが、その後、InstagramのDM連携ができるようになった話を聞き、導入を考えるようになりました。当時から、InstagramのDMでの問い合わせは一定数あったのですが、Instagram運用メンバーがすべてに対応するのは工数的に難しいなど、課題となっていました。

-チャネルトーク導入時に懸念されていたことはありますか?

導入後、CSにどのくらいの工数が発生するのか、現状の体制で対応可能かどうかが懸念点でした。CS担当は業務委託の方1名で、1日の稼働時間は平均して1時間半程度、1日に3回ほどまとまった時間を取りメールを確認して返すという形が基本でした。しかし、チャットではリアルタイム性が求められます。そういった懸念点はありましたが、まずはやってみて無理なら元の体制に戻そうという形でスタートしました。

-最終的に導入を決定した理由は何ですか?

3カ月ほどをテスト期間と考え、運用をしていました。結果、購入前の問い合わせがかなり増え、お客さまのニーズに応じた対応ができるようになったことが大きいです。またCRM機能を活用して、ツール費用を回収できる効果が認められたので、導入して損はないと判断しました。

-購入前の問い合わせは、導入からいつのタイミングでどの程度増えたのでしょうか?

導入当初は月20件程度だったのですが、チャネルトークの担当者さんとのMTGでご提案いただいたチャットの文言に変更を行ってから、問い合わせが急増しました。KPIを月60件の購入前の問い合わせとして運用して、すぐに月70~80件程度の問い合わせがくるようになりました。

問い合わせが増えるなか、お客様に自己解決していただける問い合わせは、ボットで対応できるよう進めています。それでも、問い合わせが増えたことでCSの業務負荷は大きくなっているため、この点は今後対策を考える必要があります。

攻めと守りの二刀流を目指すLittle RoomsのCS目標

-チャネルトークの運用に関して、現在はどのようなKPIを設定していますか?

最初に設定した月60件の購入前の問い合わせというKPIを達成したため、次のKPIを検討しているところです。売上につながる攻めの部分と同時に、守りの部分も必要だと考えています。チャットでの対応は、担当者の早く回答しなければならないという焦りや、距離感が近くなる分テンプレート外の言い回しになり、トラブルにつながることもあります。そこをどのようにマニュアル化するかを考えています。

-メールでの対応とチャットでの対応で、問い合わせの内容に変化はありますか?

チャネルトーク導入後、お部屋のコーディネートについてのご相談が増えました。そこからコンテンツ作成につながることもあります。それまでも、Instagramのストーリーズでお部屋のコーディネートに関するユーザーの悩みを募集してコンテンツ化することはあったのですが、チャネルトーク導入でユーザーの声を集めるチャネルが増えた形です。

購入前の商品に関する問い合わせや、お部屋のコーディネートに関する相談はタグを設定して、ユーザーの声を集約しています。

-コーディネートの相談にはどのように対応されるのでしょうか?

弊社のメンバーは、プロのインテリアコーディネーターではありませんが、日々トレンドをキャッチし続けているので、どういう部屋にどういうものを合わせたら良いのか、よくあるお悩みに対して参考になる情報などを、一通り把握しています。専門的な正解というよりも、Little Roomsを好きでいてくれる方への正解を出すことができます。

-コンテンツ作成の他にも、ユーザーの声を運営に活かしていることはありますか?

廃盤予定の商品について、再入荷の問い合わせが多かったことで、ニーズを感じて廃盤を取り消し再入荷する判断をしたことがあります。チャットによる問い合わせだけでなく、サイト上での再入荷通知登録者数など総合的な判断をしていますが、チャットでの問い合わせもひとつの判断材料となりました。

また、商品ページに記載されている情報に不足を指摘された場合、商品ページ書き換えというタグで問い合わせまとめ、週一回プロダクトチームで確認して、必要に応じて商品ページに反映することもあります。

チャネルトーク導入は効率化と顧客の声の顕在化

-チャネルトーク導入後、業務効率化の観点ではどのような成果がありましたか?

お客さまが自己解決可能な問い合わせへの対応が減りました。支払い、返品についての問い合わせも、ボット機能を活用することで、CSが対応する数も減りました。まだ、発送タイミングについての問い合わせがまだ多いのですが、チャネルトークだけで対応することは難しいと思うので、注文完了ページやマイページの改善を考えています。

-チャネルトーク導入のメリットを感じる成果はありますか?

お客さまの反応が見えやすいことがメリットだと思います。チャネルトーク導入により、お客さまからお礼を言われる頻度が増えたように思います。お客さまから頂いた嬉しい言葉は、タグでまとめて社内に共有しています。チャットは、自分の名前と写真のアイコンを利用するので接客感があり、ユーザーにもそれが伝わるのではないかと思います。

また、メールに比べてテンプレートだけでない+αの提案がしやすいのもメリットだと思います。たとえば、商品の在庫切れに対して、メールのテンプレートでは在庫切れを伝えるだけですが、チャットでは代わりの商品の提案をすることがあります。

-チャネルトークを活用しながら、今後、どのようにCSを展開される予定ですか?

そもそもの部分になりますが、「Little RoomsのCSはどうあるべきなのか?」という大元を再定義したいです。チャネルトークを導入したことで、1対1の対応のなかで、お客さまが求めることや不満に感じていることをより一層考えるようになったと思います。そういったチャットの接客感を活かせるよう、マニュアルを厳密に定めるというより、大きなひとつの行動指針に沿って、一人ひとりの接客ができるようにしたいです。

-最後に、Little Roomsにとって、チャネルトークとはどのようなツールと言えますか?

「ユーザーとの距離をより近づける手段」です。弊社は実店舗がなく新型コロナウイルスの影響などもあり、ポップアップ店舗やユーザーとの交流会なども現状は実現できておらず、お客さまと直接会う機会がなかなか作れていません。そんななかで、チャネルトークを活用することで、オフラインと同じような距離で接することができる場所を作りたいと考えています。


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