Channel Talk
6月 26日
サマリー
子ども一人ひとりの性格や成長に合った知育おもちゃのサブスクリプションサービス「トイサブ!」を運営している『トラーナ』は、「幸せな親子時間を増やそうぜ」というビジョンのもと、より多くの親子へ幸せな時間を届けるためにチャネルトークを導入。解約申請時に解約理由をもとにbotで別料金プランの提案などをすることで解約から再検討に促し、解約再検討率を大幅改善。
満6歳までの子どもを対象に、知育のプロであるおもちゃプランナーが発達・興味関心に合わせて、完全個別に選定した知育おもちゃを届ける『トラーナ』。同社が運営する『トイサブ!』は世界中から1,800品目以上の知育おもちゃを集め、親子の充実した時間を作り出した結果、知育おもちゃを通じて子どもの成長を見守る知育玩具のサブスクリプション会員登録数NO.1(※1)のサービスにまでなりました。2024年6月時点では会員数が述べ55,000世帯を突破し、月間のお問い合わせ件数も3,000件を超える規模に拡大。この急速な成長の背景には、カスタマーサポートの効率化と質の向上が一因として挙げられます。継続率は97%と非常に高く、これは業界平均を大きく上回る水準です。また、おもちゃの清掃に対するお客さま満足度は5点中4.6点という高評価を獲得しており、これもカスタマーサポートの丁寧な対応が評価されている結果と言えます。今回は、充実した親子時間の提供を目指して、知育おもちゃをサブスクリプションサービスとして提供する株式会社『トラーナ』が抱える問題やチャネルトークの導入効果について、オペレーション統括本部 カスタマーオペレーション部の町さん、事業開発本部 マネージャー・藤田さんからお話を伺いました。
※1TPCマーケティングリサーチ株式会社調べ(2023年8月時点)
ーー「トイサブ!」では、親子のよりよい時間の創出を掲げていますが、どのような取り組みをされていますか?
町さん:弊社では、子育て中の成長や発達など、生活環境の課題解決のお手伝いをおこなっています。例えば、「子どものためにどんなおもちゃを選んでいいのかわからない」「どんなおもちゃが発達にいいのかわからない」という親御さんの悩みに対して、おもちゃの評価データ(※2)や親御さんからいただく情報を基におもちゃプランナーが発達に最適なおもちゃを個別選定しています。ほかにも限られた時期にしか扱わないおもちゃで生活スペースが圧迫されてしまう悩みに対して、一定の時期にのみおもちゃを借りて返せる仕組みを作り、課題に対してアプローチしています。 ※2トイサブ!ではおもちゃを交換する際におもちゃの評価をお客さまに記載いただいており、その評価データが現状100万件以上蓄積されています。
ーーさまざまな声が親御さんから上がってくると思いますが、カスタマーサービスをどういう位置付けで捉えていますか?
町さん:おもちゃを通して、お子様が成長する瞬間、一瞬一瞬の大切な親子時間を提供するためのコミュニケーションチャネルだと考えています。例えば、お客さまからいただいたご意見に対して部内で話し合ってお答えをお渡しするなど真摯に向き合ったり、おもちゃの選定をするプランナーが「こういう意図があってこのおもちゃを選びました」と同梱するプランシートに詳しく記載したりするなど、トイサブ!ではオンラインとオフラインのアプローチを掛け合わせてカスタマーサービスを提供しております。 弊社では「幸せな親子時間を増やす」をビジョンとして大切にしているのですが、カスタマーサポートとしては少しブレークダウンして、「最高のおもちゃ体験を提供する」と掲げ、迅速かつ正確な情報提供で安心・安全・快適なサービスの提供を目指しています。
ーー2023年1月時点では会員数が18,000人を超えており、会員数に比例してお客さまからの声が増えていると思います。増え続けるお問い合わせに対して、チャネルトーク導入前は十分な対応をおこなえていたのでしょうか?
藤田さん:チャネルトーク導入前は、別ツールで対応しており、すべての問い合わせをメールで対応するという運用を行っていました。そのため、回答するまで平均3営業日かかっており、正直カスタマーサポートという点でお客さまファーストにはなっていなかった状態でした。
ーーそのときは、一日にどのくらいのお問い合わせが来ていたのでしょうか?
藤田さん:当時は、「トイサブ!」の申し込み前の相談、使用中のおもちゃ自体の問い合わせ、次回配送の日時など多岐にわたる月3,000件以上のお問い合わせを受領しており、全てメールで対応していました。どれも重要かつ丁寧に対応する必要があったのですが、回答するまで時間がかかり「返信はまだですか?」といったご連絡までいただくようになり、12人のスタッフではとても手が回らず、悪循環が積み重なっている状態でした。 会員数は増加していたものの、現場のオペレーションが滞っており、お客さまからアラートのメッセージが上がっているにもかかわらず、拾いきれない状況が続いていた状態でした。その状態が続くと、当たり前ですがお客さまにとってはサービスの低下という印象は免れません。自動回答もできず、すべての作業を人がやらなければいけなかったので、事業の成長に伴って問い合わせ件数が増加すると、それに比例して対応人数を増やさなければいけません。この問題を解決しないと、事業を伸ばしていくうえでボトルネックになると感じていました。 そのため、お客さまの満足度向上や問い合わせ対応の工数削減のためにも新しいチャットツールの導入を検討し始め、2022年の9月にチャネルトークを導入しました。
ーーチャネルトークを導入する際に、他社のチャットツールも比較検討したと思いますが、チャネルトークを導入した決め手はなんだったのでしょうか?
藤田さん:チャットツールの導入を検討していた際「顧客体験の継続的な向上」を重視しました。この点で、チャネルトークの機能の多様さが際立っていました。他のツールを介さず一つの場所で完結できる柔軟性は、私たちだけでなく、顧客にとっても大きなメリットだと考えました。 また、世の中の変化を捉えた方向性・開発計画や「答えは顧客にある」というワードに感銘を受け、チャネルトークならお客さまの声をしっかり聞いたうえでPDCAをどんどん回していけるのではないかと考え、導入を決めました。我々はベンチャー企業です。顧客の声が何よりも大事な段階のため、顧客の声をサービスに活かして事業に貢献できるCSの立ち位置がとても重要です。今会社にとってその一番必要なサービスをワンストップで提供しているのが、チャネルトークだと思っています。
ーーチャネルトークを導入してから、どのような効果がありましたか?
町さん:チャネルトークを導入してから、12,3人で対応していた人的工数が半数にまで減り、大幅な人的リソースの削減に成功しました。削減できた工数でお問い合わせ以外の対応をすることができるようになりました。 カスタマーサポートではチャネルトークの使用頻度が一番高く、ひとつのチャットボットだけではなく、複数のチャットボットを並行して運用しています。例えば、契約前と契約中のお客さまからのお問い合わせをフェーズごとに分けて出したり、お客さまの解約申請を受け付けたりしています。 解約申請を受ける場合、自動で受付から解約完了まで終えられる方と、途中解約で返金が必要な方に分かれます。もともと解約処理はすべて手動で対応しており非常にコストの高い作業だったのですが、チャネルトークを導入することで6割を自動化、残り4割を人力の対応、というように大幅に効率化を実現できました。
また、チャットボットを使って細かい解約理由を尋ね、その理由を補えるような特別なプラン・キャンペーンの提示をしたりなど、チャットボットを使って解約再検討施策が叶いました。 実際に、お客さまからは「おもちゃの品数が多い」という声があがったことがありました。その声をもとに、新しくおもちゃの品数を減らしたプランを作ってチャットボットに組み込み、その悩みが出た際にご提案できるようにした結果、解約率が改善する結果を得られました。
ーー解約の再検討案をチャネルトークのチャットボットがおこなうことで、どの程度の再検討率になりましたか?
藤田さん:再検討施策を実行する前と比べ、4%ほどだったものが、約8%を記録しました。サブスクリプションサービスにおいて、解約阻止は非常に重要な要素です。解約するには何かしらの理由があり、それを改善できればサービスの質自体が向上します。 トイサブ!では解約を考えている顧客に対して、リアルタイムで別のプランや特別なキャンペーンをチャネルトークのボットで提案し、解約するのをやめ、トイサブ!を継続するというお客さまを増やすことに成功しました。
我々はチャネルトークで、顧客のお問い合わせにリアルタイムで対応することができるようになりました。解約以外においても顧客の問題をヒアリングし、きょうだいプランやいつでもおもちゃを交換できるトイサブ!プライムなど、別のプランを提示することで、顧客の課題を解決し、解約率の低下や満足度向上に繋がったのではないかと思います。
その結果、お客さまからたくさんのよいお声が書き記されたお手紙をいただくことも少なくありません。お子様の写真がいくつも並んだお手紙や、便箋いっぱいに感謝の言葉を書き記していただいたお手紙など、トイサブ!を利用いただいているお客さまからの愛の言葉がたくさん記されたお手紙を弊社内に掲示させていただいております。そんなお客さまからの愛あるお言葉をもっと増やせるように、サービスの拡充やお客さま対応の充実をより目指したいです。
ーーチャネルトークを導入してから、コスト削減などの効果が出ていますが、社内からはどのような声がありますか?
町さん:チャネルトークはどの機能もわかりやすく、エンジニアなしでボットの組み立てもできるので、アルバイトの方でも比較的簡単に使いこなせており、「使っていて苦じゃない」「簡単に使いこなせる」という声をよく耳にします。社員側としてもレクチャーする時間を大幅に削減できており、例えば「この申込フォームをボットで作ってほしい」と気軽に依頼できています。 また、チャットボットを使って自動回答できているため、以前は問題解決まで平均すると2.5ラリーほど必要だったものが1ラリーで済むようにもなり、その点にもよい声を聞くことが多いです。
ーー最後に、まだチャットツールを導入していない企業に向けて、どんな課題に直面したときに導入を検討するといいかアドバイスをいただけますか?
町さん:お問い合わせの対応工数が煩雑に感じた際は、チャットボットを含むオンライン接客ツールの検討をするといいと思います。サブスクやレンタル事業であれば、お客さまと長くお付き合いすることが前提ということもあり、そのお客さまが過去にどんな問い合わせをしているのか、どんな経緯でそのお問い合わせをしているのか、前後の文脈や利用状況を把握しながら対応することが重要です。また、同一のお問い合わせを受けても社内での対応方法や過去にあった問い合わせの対応方法を確認するなど、情報収集が必要になる場面があります。チャネルトークのように、簡単にチャットボットを組んだり、過去の問い合わせ履歴を一つの管理画面でみることができたり、類似のお問い合わせをタグなどから探せることで、工数や人的リソースを効果的に削減できるはずです。