aya 🍑 • Head of Sales Revenue & 일본 부대표 전 백엔드 엔지니어 & GE팀 👩💻
1月 15日
今や日本食には欠かせない高級食材として日本だけではなく世界でも認知度の高い”大トロ” "おおとろ"と聞いてあなたは何を連想するだろうか。
この寿司ネタのような”おおとろ”、実は若い女性の間では熱狂的なファン層を持つファッションECサイトの名前でもある。 インスタグラムで#OHOTOROでハッシュタグ検索をしてみると、数万件の投稿がいわゆる“OHOTORO”スタイルを作り上げていることがわかる。
2年前にOHOTOROで発売した“モコモコ アウター”は、たちまち日本国内で一大ブームとなり、ついには朝の情報テレビ番組でも若者の”もこもこ”ブームが取り上げられたほどだ。
日本でもこもこブームの火付け役となったOHOTORO、実は本社が韓国ソウルの外郭に位置している聖水洞にあるというのだ。 聖水洞は明洞や仁寺洞などに比べると日本人にはまだまだなじみが薄い場所でもあり、もともとは革製品の職人や工場、印刷工場などが集う所謂、下町ともいうべき場所だ。
さしずめ日本でいうところの馬喰町問屋街・横山町問屋街にあたる場所というところだろうか。 しかし、そんな聖水洞も近年は街の再開発がラッシュとなりカフェ激戦区となり、さらに若手の芸術家たちが集まるなど、いまにわかに注目を集めている。聖水スタウトなどブリュワリーもできたことで「韓国のブルックリン」などとも言われている。
この韓国のど真ん中で、縁もゆかりもない日本市場に向け27歳の韓国人青年がECサイトを立上げ、起業4年でOHOTOROを年商4億円の優良ブランドに育て上げた。 ジョン・ナムユン代表の話をうかがうため、オフィスに訪れた
特徴的な名前ですがOHOTOROの由来を教えて下さい
ジョン:会社の名前を『おおとろ』にした理由は、20歳の前半に、とても悩みの多い時期がありました。23歳のある日、当時の全財産を握りしめて初めてお寿司さんで、大トロを口にしました。 一口たべた瞬間の感動は、今でも忘れられないほど、鮮明に覚えています。このときの感動や満足感のようなものを、お伝えできる企業にしたくてOHOTOROにしました。
正確には大トロの発音をアルファベット表記にすれば“Ōtoro”ですが、 OH!という驚きのある、そしてユニークさ、両方のイメージ合わせて私たちは“OHOTORO”という綴りのブランド名にしました。 そして、ブランドのスローガンはEnjoy in bits(=いいものをちょこっと)とました。
なぜ韓国ではなく、日本市場で起業されたのですか?
ジョン:2013年に、韓国ではすでにスタイルナンダ(STYLE NANDA)やIMVELY (イムブリー)など、数多くの独立系モールの戦国時代でした。一方、日本はまだまだ楽天やアマゾンといったShop in Shopでの販売がメインで、独立系のECサイトはほとんどありませんでした。日本は韓国とカルチャーが似ている部分も多く、ファッション市場が大きい国なので今後、日本にも通販サイトでのショッピングが主流になると判断しました。
それでもいきなり外国で事業を始めることは容易ではなかったのかと
ジョン:そうですね。「カルチャーが似ている」と思っていたのですが、実際、日本の市場は韓国とは全然違いました。参入障壁の高い日本市場を理解し、どうやったら日本の顧客の方のニーズに対応できるのか試行錯誤しながら努力を積み重ねてきました。
どんな違いでしょうか?
ジョン:好きなことを突き詰めるいわゆる、オタク文化が根付いているように、日本の消費者は自分のスタイルに対するこだわりが強いと感じました。 ファッションも韓国では「今年これが流行る」となるとみんな同じようなアイテム、ブランドを買いますが、日本では流行は流行で取り入れるものの、自分の好みや、ひとくせある自分だけのスタイルを優先する方がずっと多かったです。なのでシーズンごとの流行がはっきりしている韓国に比べ、トレンドの影響をやや少なく感じたのは確かです。
また、新しいものを簡単には取り入れない傾向があります。それはある意味で慎重という風に捉えているのですが裏返して考えると、慎重な分、一度信頼したブランドや会社に対する信頼度をとても大切にしているように感じました。
初期のお客様の中で、購入された方の親御さんから電話をいただいたことがありました。ここの会社から娘にEMS(国際郵便)が届いたんだけれども、一体なんの会社なんだって。初めてみる会社、名前も魚のような名前、それに、海外からのお届けものだったので、さぞ親御さんは心配されたことでしょう。先程、”信頼”のお話をしましたが、当時まだ韓国からの通販が少なかったのでまずは顧客の不安要素を解消するために、会社について丁寧に説明する必要がありました。そのため弊社では、CS担当は日本の方が直接、対応しています。
実際に、日本ではWEBサイトでも「会社概要」や「代表からのご挨拶」といったページのPV数が高くなる傾向にあるという話も聞いたことがあります。企業に対する信頼が購入の決め手のひとつとして重要視していることは間違いないと感じました。
このような経験から、日本マーケットに入るには信頼度の高いブランディングが一番大事だと感じ。オオトロ というブランドがただのアパレルではなく、ライフスタイルとして生活に溶け込むレベルにならないとブランドとして盤石になってしまうと考えました。
いまのブランドはどう育て上げたのでしょうか?
まだまだ未熟ですが、ブランドのコンセプトが今の顧客の方に受け入れていただいた点は、少しの運が味方してくれたのだと思っています。 運がよかったことの1つとして、韓国ファッションに興味を持っていた日本人の、いまでいうインフルエンサー、ブロガーの方と一緒に起業したことです。韓国のスタイルも熟知しながら日本でも通用するようなコンセプトを見つけ、デザインを作り上げるうえで彼女の意見も大きく影響しています。
また、私たちはOHOTOROというブランドがより多くの方に、より自然に目につくような拡散方法を試行錯誤しました。SEOや広告のように、見せて知ってもらう拡散方法よりはブランドをどう市場に溶け込ませるか、その方法について一番長く悩みました。
たくさん悩んで調査して、どんな方法が良いのか模索しながら、ふりだしにもどったときに、普段の自分の生活を振り返ってみました。OHOTOROを運営する立場ではなく、あくまでもいち顧客となった時、日本ではショッピングバックの袋を手にしている方が多いですよね。日本の街なかを見渡せば、主婦の方が買い物をした袋だったり、大学生は洋服をかった袋を通学に使ったり…あの袋は、このブランドで、あの柄はこの百貨店でと、ひと目で記憶に残るショッピングバックが多かったです。
そこでふと、あるキーワードにたどりつきました。 その一つの答えがOHOTOROのロゴを活用する方法でした。
しかし難点がひとつありました。私は店舗がないため、ショッピングバックがないのです。 でも、どうにかして私たちはブランドがより多くの方の目に届くように、ロゴステッカーを商品を購入してくださったお客様へプレゼントをすることにしたのです。 プレゼントを開始して、しばらくすると思わぬ反応がたくさんありました。これは、日本のお客様ならではの反応かなと感じたところは、私たちがプレゼントしたステッカーを写真にとってSNSでハッシュタグをつけて、時にはDMで知らせてくれるのです。 中にはスーツケースに貼ってくださたり、スマホケース、学校のノート、パソコン、いろんな日用品に貼ってときには、加工もして。私たちが想像していたよりも、もっと可愛くOHOTOROステッカーを利用してくれていたのです。
ジョン:またOHOTOROを運営していく上で、SNSを通じて多く感じたことが、より身近に韓国をコンテンツとして興味を持っている方が多いということでした。
SNSを通して多くのお客様から、お洋服の質問だけではなくOHOTOROで撮影している何気ない風景や、カフェ、時々紹介していたごはん屋さんに関するご質問をたくさんいただきました。 OHOTOROはSNSを通して成長させていただいた企業でもあるため、今度は私たちからお客様の声を生かして恩返しがしたいと思い最近では、サイトでJourneyという新しいカテゴリを作っています。 韓国で話題の場所や食べ物などを”旅”をテーマにコンテンツを制作してご紹介しています。トレンドの化粧品を紹介した記事を書いたり、私たち独自の韓国関連の素材を積み上げていくことで「OHOTORO」という単語に=お洋服屋さんだけではない、新しいイメージを着色していくのです。。
私のほうでもインスタグラムを拝見しましたが、言葉では説明しにくい“OHOTORO”っぽさって確かにあるかなと思いました。その反響はどうだったんですか?
一気に流行の波がくる韓国のマーケットに比べると、確かに、日本ではマーケットに定着するまで時間がかかる気がします。日本の職人たちが丁寧にモノづくりをするように、一つの趣向を作り上げていくのに近いですね。流行をつくるよりは、ひとつひとつ着実に作り上げていこう!というのが私たちの日本市場における、継続して運営する方法だと考えています。
だた、予想だにしなかったところからヒット商品が生まれることもありました。私たちが販売した商品の中で“mcmc outer”というのがあるんですが、名前の通り、モコモコしたコートで、韓国では5年位前に一度、流行ったスタイルなんです。これをOHOTOROスタイルに、つまり、”ひとくせあるけどデイリー”にも使えるようなアイテムとして販売すると、たちまち口コミで広まり、日本の読者モデルさんたちまでがが着てくれるようにまでなりました。 ふわふわの、プードルのようなコートは、全国的に流行になったことでテレビの番組に取り上げられ、一大ブーム商品になりました。入荷と配送が追いつかない状況で、日本に旅行に行った友達からOHOTOROのアウターを見かけた!と連絡がくるくらいでした。これまで経験したことのない周囲からの反応に正直、夢をみているような感覚でした。 そして身をもって感じたことは、日本ではトレンドを追うのではなく、ぶれないOHOTOROだけのスタイルを提供することが重要だと再認識しました。
日本で大流行となった“モコモコアウター”。漫画「ワンピース」のキャラクターであるドフラミンゴの衣装と似ていることから“ドフラミンゴ・コート”とも言われた
ソウルの隅っこで生まれたコートが日本でヒットするなんて、面白いですね。ブランドの色に集中した結果ということでより素晴らしいです。
ジョン:これからもOHOTOROはマーケットのトレンドより自社ブランドの構築に集中するつもりです。たとえばiPadを買うときに、その機能が欲しいから買うんじゃなくて、アップルというブランドが魅力的だとか、単純に“買いたいから”買うんです。自分たちのお客様にも「OHOTOROのものが欲しい」といわれる製品を作りたいですね。例えば、いつかOHOTOROがアパレルじゃなくて飲食店で会っても、OHOTOROが出したお店だという理由で行きたくなるような、そんなブランドに育て上げたい。
終わりに
ブランドは流行に乗るものではなく、育てていくもの。当たり前のことかもしれないがそれを実践しているOHOTOROは日本で愛されるブランドを育てるため、日本の特徴を深く理解し、その知見を取り入れていた。
テレビにも取り上げられ、一日の売り上げが1千万円を超えた話をしながらもなお落ち着き、客観的に現状を話すジョン代表佇まいから、OHOTOROが“海外ブランドには難しい”といわれる日本のマーケットで成長していったのか、なんとなく知ることができた。
いつか彼のOHOTOROブランドがファッション界のアップルになっている日を期待したくなるインタビューであった。